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2008年11月29日土曜日

介護保険料が平成21年度から月額180円引き上げ

65歳以上の介護保険料が、平成21年度から現行の月額4090円(全国平均)から180円増額され、月額4270円になると試算されていることが、厚生労働省の発表で明らかになりました(28日に開かれた自民党社会保障制度調査会の介護委員会において)。

この介護保険料の増額は、平成21年度から3年間にわたり段階的に進められていくことになります。

また、介護現場の慢性的人手不足を解消するため、介護職員の待遇改善を図り、介護報酬(介護サービスの単価)を平成21年度から3%引き上げることもほぼ決まっているようです。

介護報酬の増額には、保険料を引き上げることが必要になりますが、その保険料上昇相当分は、国が各年度単位で肩代わりしていく方針です。
これにより、21年度からの保険料増額は、全国平均で、月額4200円(平成21年度)、4270円(同22年度)、4330円(同23年度)と段階的に推移していくことになります。

毎年増大する介護保険料負担は、年齢を重ねていく高齢者の肩にずっしりと重くのしかかっていくことになりそうです。

2008年11月22日土曜日

介護職を志望する学生に国が40万円を無利子で貸し付け

介護現場の人材不足を抜本的に解消するため、介護福祉士や社会福祉士などの介護職を目指す学生に対し、国が学費を支援するという朗報が飛び込んできました。

厚生労働省は、11月19日、介護人材の育成確保を推進するために、介護福祉士や社会福祉士目指す方が学ぶ大学や専門学校の学生を対象に、入学時の20万円、卒業時の20万円を合わせた合計40万円を無利子で貸与する方針を固めました。

近年、低賃金や過酷な労働条件などに起因する介護現場の人材不足は、深刻化の一途をたどっています。

それにもかかわらず、介護職の国家資格、介護福祉士関連の専門学校などの入学者が軒並み定員割れに見舞われるなど、若者たちの「介護職ばなれ」の傾向には拍車がかかる一方でした。

今回の厚労省の財政支援策は、2009年度から2011年度までの入学者が対象となり、この3年間でおよそ300億円の財政支援事業費が投入される予定です。

現在施行されている介護職志望者への財政支援策としては、介護福祉士養成学校の学生に対して、月額3万6000円(上限)を無利子で貸し付ける都道府県単位の「介護福祉士等修学資金貸付事業」が設けられています。

新財政支援策は、この「介護福祉士等修学資金貸付事業」をレベルアップした事業として推進されることになります。

また、旧来の「介護福祉士等修学資金貸付事業」自体も、月当たりの貸付額の上限を5万円に引き上げ、養成学校を卒業後5年間、貸し付けを受けた都道府県内の介護施設などに勤務した学生には、貸与額の返済を全額免除することも既に決まっています。

介護現場の人手不足は、もはや待ったなしの状況まできています。

介護職志望者への今回の新たな財政支援策は、こうした介護現場や介護労働者の厳しい現状への一筋の光明と言えるのではないでしょうか。

2008年11月21日金曜日

「老老介護」ならぬ「認認介護」の深刻な現状とは?

認知症の妻を介護していた夫までもが認知症を患ったとしたら・・・

近年、高齢者が高齢者を介護する「老老介護」と並行して、認知症患者の高齢者を介護するその配偶者までもが認知症にかかるというケースが増加しています。

その中には、認知症にかかった老夫婦が、周囲のコミュニティーと交流をもっていなかったために、認知症の症状に気づいてもらえないまま配偶者の死に遭遇し、そのショックで遺された配偶者の認知症の症状がより一層進行するといったケースもあるそうです。

介護ヘルパーが定期的に訪問していても、初期の認知症の症状に気づくのはなかなか難しいため、地域から孤立している老夫婦の認知症の進行を把握することは容易ではありません。

認知症の配偶者を亡くした認知症高齢者は、「一時シェルター」的な施設に保護された後、グループホームなどで、認知症の症状を改善をさせたり、1人暮らしのための訓練を受けたりするとのこと。

一人暮らしといっても、認知症患者は、火の始末などに関する不安を常にかかえて生活しなければなりません。

認知症患者用に、電磁調理器、室内用火災報知器、携帯ベル式緊急通報装置といった最新機器を設置したとしても、認知症患者がこれらを使いこなすのは至難のわざであるのが現状のようです。

「認認介護」の状況を早期に把握するためには、夫婦ともに認知症が疑わしいケースに気づいたときに、気づいた者が行政に通報するか、または老夫婦を説得し、しかるべき機関に連れて行くという手立てを講じる必要があります。

しかし、他人のプライバシーに踏み込むことの勇気を求められるこうした行為は、地域での人間化関係を悪化させたくないという心理が壁となり、なかなか実行できにくい場合もあるでしょう。

「認認介護」が生み出す悲劇的な事件を防止するためにも、福祉行政による抜本的対策が早期に望まれるところです。

2008年11月17日月曜日

飼い主の高齢化とともに増え続ける「老犬ホーム」

人間社会の高齢化は、老いたペットの介護という新たな問題を生み出しているようです。

愛犬が老いて家庭で世話できなくなった場合、有料でケアしてくれる「老犬ホーム」が、全国各地に次々に誕生しています。

「老犬ホーム」に愛犬を預ける理由は、飼い主によってさまざまですが、飼い主が高齢化し老人ホームに入居せざるを得なくなったという事例が増加傾向にあるそうです。

「老犬ホーム」に預けられた老犬は、どのように介護されているのでしょうか。

たとえば、神奈川県小田原市にある老犬ホーム「アサワペット牧場」では、かつてはみかん畑だった敷地(1000平方メートル)内に、人間の60~100歳に相当する9~17歳の老犬35匹が介護されています。

月単位の預かり料は2万8千~3万7千円で、犬のサイズにより異なるそうです。

預けられている犬の2割が病を抱えていることから、内臓疾患をもつ犬には餌と共に薬を服用させたり、寝たきり状態にある犬には、床ずれ防止のために寝返りをうたせたりと、スタッフがきめ細やかなケアに当たっています。

「アサワペット牧場」は、開業以来の7年間で、北は宮城県から南は宮崎県まで、およそ100匹の老犬を預かり介護してきました。

預かっている犬が病気になった場合は、飼い主と相談した上で治療を施すかどうかを決め、犬が亡くなった場合は、近隣のお寺で火葬することになります。

女性スタッフが、おむつを付けた寝たきりの老犬に、餌をお湯でふやかしてスプーンで食べさせている光景は、老人ホームのそれと近似しています。

最近では、「老犬ホーム」の需要の拡大に着目したペットホテル業者も、この分野に進出しつつあるそうです。

飼い主の高齢化と不可分の関係にある「老犬ホーム」は、今後も高齢化社会の進行と共に増加の一途をたどることでしょう。

2008年11月15日土曜日

「介護1000事例調査」が浮き彫りにした介護保険の利用実態とは?

介護の日の前日だった11月10日、全日本民主医療機関連合会(全日本民医連)は、介護保険の利用実態を探り、その改善点を提言するための「介護1000事例調査」の調査結果を発表しました。

全日本民医連の調査では、今年の5月から9月にかけて、全国29都道府県に点在する334事業所(75法人)から728事例が収集されました。


収集したデータの構成は次の通りです。

1.男女比
男性→307名(42.2%)
女性→421名(57.8%)

2.年齢分布
75歳以上の後期高齢者→70.1%
70歳以上74歳以下→13.3%
40歳以上65歳未満の第2号被保険者→8.2%

3.家族構成
親子→34.9%
独居→31.9%
夫婦のみ→21.2%

4.要介護度別
要介護1以下(自立を除く)→41.3%
要介護4・5→26%
予防給付(要支援1・2)→24.8%


「介護1000事例調査」の結果から浮かび上がった特徴としては、まず、介護保険利用者の経済状態がきわめて厳しいため、施設利用料などの自己負担分が経済的に重くのしかかっていることが挙げられます。

介護給付を抑制するシステムのせいで、介護保険を利用することを控えたりする動きが広がっていることも、現状における大きな懸念材料といえるでしょう。

2008年11月9日日曜日

特養老人ホームでC型肝炎ウイルス感染を知らぬまま介護

特別養護老人ホームで、C型肝炎ウイルス(HCV)に感染していた男性入所者を、感染の事実を知らぬまま介護していたことが明らかとなりました。

11月上旬、堺市北区にある特養老人ホームで、ある男性入所者が病死しました。

実はこの男性は、C型肝炎ウイルス(HCV)に感染していたのです。
感染の事実を知らなかった介護士らの施設職員たちは、吐血や鼻血の処理を手袋などを装着せぬまま、素手で処理にあたっていました。

職員への感染の疑いもあるとして事態を重く見た施設側は、死亡した男性入所者の介護を担当した職員(約20名)の血液検査を開始したとのこと。

堺市の調べでは、この男性入所者は、堺市内の他の介護施設から当施設に8月上旬に移送されました。

施設側は、健康診断のデータによってHCVの事実をつかんでいたものの、資料などに「HCV +」(C型肝炎ウイルス陽性)と記載するだけで、各職員に感染防止の注意を与えることを怠っていたというのです。

指導監督に当たる堺市は、今後の再発防止に向け、職員への情報伝達を密にするためのマニュアルを提出するよう施設側に要求しています。

C型肝炎ウイルスへの感染は、職員の健康に甚大な影響をおよぼす事態なのですから、各介護施設の管理者は、確固たる危機意識をもって介護職員との情報共有に努めるべきではないでしょうか。

2008年11月7日金曜日

後期高齢者医療制度の保険料が7万2000円から6万5000円に減額へ

75歳以上の高齢者を対象とする後期高齢者医療制度の平均保険料(約7万2000円)が9%前後下がり、約6万5000円に減額されることが、6日の厚生労働省の発表で明らかになりました。

政府が決めた追加の保険料軽減策を実施すれば、保険料は低所得者層を中心に減額されるため、都道府県ごとの保険料から全国平均を算出すると、保険料軽減策の実施前に比べ、平均保険料は約9%下がることになったのです。

保険料額を都道府県別にみてみましょう。

保険料が最も高かったのは神奈川県の8万8221円(5%減)で、逆に最も低かったのは秋田県の3万8151円(19%減)でした。

大都市を抱える神奈川県や東京都では、減額の幅が4~5%程度にとどまったものの、秋田県や山形県などでは、対策実施前と比較しおよそ2割も低下することがわかりました。

今年度に追加対策として実施された保険料軽減措置の中身をみると、低所得者層の保険料の均等割部分の軽減率が、70%から85%に拡大されています。

加えて、153万円から210万円程度の年金収入の高齢者が支払う保険料の所得割部分は、およそ50%軽減されました。

こうした保険料軽減策が、後期高齢者医療制度の存続の是非にどのような影響をもたらすのか、今後の推移が注目されるところです。

2008年11月6日木曜日

ケアマネジャー志向の高まりによって介護職員の2分極化が進行

10月31日、生活介護研究所が都内でセミナーを開催しました。

セミナーでは、介護現場の人手不足とケアの重度化への対策について解説され、入浴、排泄、嚥下予防、転倒予防などの介護技術をマスターしようとしている介護職員たちが、生活介護研究所の坂本宗久さんの講演に熱心に耳を傾けていました。

坂本さんは講演中、介護現場のある興味深い現状を明かしました。

介護業界の中では、ケアマネジャーになりたがる方が年々増えており、介護現場には、核となるべき30~40代の職員が欠けている傾向が見られるというのです。

その結果、介護現場の職員は、若年層と中高年層とに2分極化されてきたのだそうです。

米の研ぎ方も知らない若い新人職員と中高年職員との間には、介護力の大きな格差があるため、それが原因で介護現場の人間関係が悪化する場合もあるとのこと。

人間関係の悪化は職員の離職という事態を招くこともあり、手薄になった介護現場では、残る職員の仕事量が増えるせいで、人間関係の悪化にさらなる拍車がかかるという悪循環。

こうしてみると、介護現場の人手不足は、低収入と激務という主要因のみならず、日々の介護業務に潜むさまざまな要因がからまりあってもたらされていることがわかります。

今回の生活介護研究所のセミナーでは、若年職員と中高年職員との介護力格差を解消し、各介護職員の仕事量の増大を防ぐため、介護技術の質的向上を目指す実習も併せておこなわれました。

2008年11月5日水曜日

「介護受けるなら自宅より施設がいい」と40代以上の50%が回答

介護を受ける状態になったら、有料老人ホームや特別養護老人ホームなどの介護施設に入居したいと希望する中高年の割合は、予想以上に高いようです。

東京都港区にある介護施設運営会社オリックス・リビングは、10月下旬にインターネットを通じて、40代以上の中高年を対象に「介護に関する意識調査」を実施しました。

その調査結果によれば、要介護状態になった場合、有料老人ホームや特別養護老人ホームで介護サービスを受けたいと考えている方の割合は50.3%を占め、全体の過半数に達しているそうです。

一方、家族による自宅介護を希望する方は、全体の26.1%にとどまり、自宅にいて外部の介護サービスを受けたい望む方は、19.1%と、全体の5分の1を下回る結果になったのです。

調査結果を男女別でみると、自宅で配偶者による介護を受けたいと希望する方は、男性では30.4%いたのに比べ、女性ではわずか10.7%にすぎませんでした。

老人ホームなどの介護施設での介護を希望する割合では、女性が26.6%と男性を10%近く上回りました。

男性の方が配偶者への依存度が高いような傾向はうかがえるものの、介護を受けるなら、”自宅より施設で”といった流れは、男女を問わず着実に定着しつつあるようです。

2008年11月3日月曜日

認知症予防効果が期待されるドコサヘキサエン酸(DHA)含有魚肉ソーセージ

認知症予防効果があるとされるドコサヘキサエン酸(DHA)。

このドコサヘキサエン酸を多量に含む魚肉ソーセージを食べ続ければ、認知症を予防できるのかどうかを調査する臨床実験が、11月1日から島根県川本町で始まります。

この実験では、2年間にわたり高齢者に魚肉ソーセージを食べてもらい、DHAの認知症予防への有効性を検証することにしています。

10月31日、被験者になる高齢者は、料理教室でソーセージの調理法を学び、臨床実験開始に備えました。

今回の実験は、島根大医学部の橋本道男准教授の主導のもと、60~80歳代の110が被験者となります。

2年間にわたる臨床実験なので、料理教室では、飽きのこないさまざまな食べ方が提案されました。

実験では、110人の被験者を2つのグループに分け、DHA入りのソーセージと、比較対象となるカロリーが同等のソーセージを、それぞれ毎日1、2本食べてもらうことにしています。

実験期間中は、記憶力や血液を半年ごとに検査し、DHAの摂取量と認知機能との関係性を解明していくとのこと。

安価に購入できる魚肉ソーセージの摂取が、効果的な認知症予防につながれば、高齢者介護対策への有効打として大いに注目が集まりそうです。