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2008年7月31日木曜日

インドネシア人介護士・看護士208名が雇用契約を締結

7月30日、厚生労働省は、34都府県に所在する法人が、経済連携協定(EPA)に基づいて来日するインドネシア人介護士・看護師208名と雇用契約を締結したことを明らかにしました。

受け入れ先としては、東京都や兵庫県といった都市部が中心のようです。

対象となるインドネシア人介護士・看護士は、8月7日に来日する予定です。

来日するインドネシア人介護士・看護士の人数は、両国政府が想定した初年度枠500人(介護士300人、看護師200人)の半数以下にとどまり、来年度以降の募集方法における課題が残ったと言えそうです。

受け入れ人数を介護士・看護師の合計人数で比較すると、最も多いのは東京都と兵庫県で各22名、続いて神奈川県が17名、大阪府14名などの順となっています。

都市部では介護・看護現場の人手不足が深刻化しているため、その現場の実態を反映する結果となりました。

都市部と対照的に、北海道、静岡、沖縄などの13道県では、インドネシア人介護士・看護士を受け入れる法人が皆無でした。

2008年7月26日土曜日

介護・福祉職員の過半数が健康不安を訴える(医労連による最新調査結果)

日本医療労働組合連合会(医労連)は、介護・福祉事業所に勤務する過半数の職員が、何らかの健康不安を感じているという調査結果を発表しました。

調査結果によれば、介護・福祉職員全体の6割が慢性疲労に苦しみ、妊娠経験者の女性職員の4人に1人が切迫流産という悲痛な経験をしているそうです。

こうした健康不安や健康被害には、人手不足や長時間勤務による過酷な労働環境が影響していると言えそうです。

今回の健康調査は、全国約2万5000人を対象にして、昨年12月から3カ月間にわたり実施され、6818人から回答が寄せられました。

健康状態についての回答結果では、「不安」42%、「大変不安」7%、「病気がち」3%と、計52%の職員が各種の健康不安を抱えていました。

職種別回答結果では、看護職、介護福祉士の中で健康不安を訴えた職員の割合が、実に6割に上っています。

疲労度に関しては、仕事による疲れが「翌日も残っている」と回答した職員が43%、「常に残っている」と回答した職員が18%を占め、合計61%の職員が慢性疲労の状態にあることがわかります。

各月の時間外労働時間が長いほど慢性疲労を感じる職員の割合が高くなり、50時間以上では何と8割に達しました。

また、複数回答可能な体調不良の項目では、「腰痛」が54%とトップを占めました。

「抑うつ感」を訴える職員が12%、「不眠」に苦しむ職員が13%に達するなど、精神的症状を訴える職員の割合が高い点についても注目する必要がありそうです。

さらに、妊娠を経験した女性職員の25%が切迫流産に見舞われ、順調に出産した職員は3割未満に過ぎないという、女性職員たちのショッキングな現実も明らかとなったのです。

日本医療労働組合連合会は、悪化する一方の介護・福祉分野の労働環境においては、人材確保と職員たちの負担軽減が急務であると指摘しています。

2008年7月24日木曜日

厚労省と国交省が高齢者向け賃貸住宅と介護拠点との一体整備事業を開始

2009年度から、厚生労働省と国土交通省は、高齢者向けの賃貸住宅を介護拠点と一体整備する事業を開始することを決定しました。

この事業は、高齢者が安心して暮らせる街づくりを推進し、施設への入居よりも低コストな在宅介護を普及させることを目的としています。

一体整備事業は、社会保障分野における緊急対策を定めた、福田康夫首相の提唱による「5つの安心プラン」に盛り込まれ、2009年度予算の概算要求の「重点要望枠」などにより、数百億円規模の予算を確保することになりそうです。

この「安心住空間整備プロジェクト(仮称)」には、都道府県や市町村の社会福祉関係者なども参加する協議会が設けられ、高齢者に優しい街づくり計画を策定することになっています。

また、計画対象地域には、高齢者に配慮した民間賃貸住宅や、訪問看護ステーションなどの在宅サービス支援施設を誘致することを目指しています。

2008年7月18日金曜日

武蔵野市と三鷹市が医療機関・介護事業者と連携して脳卒中の治療・回復を支援

東京都の武蔵野市と三鷹市が、医療機関や介護事業者と連携して、脳卒中患者の治療・回復を支援する仕組みを始動させました。

この試みは、行政サイドが、医療機関や介護事業者と共に、統一の診療計画書を作成し患者情報を共有することにより、発症時期から回復期までの各段階に合った医療や介護サービスを一体的に提供しようというものです。

武蔵野、三鷹両市と両市内にある医療機関、介護事業関係者は、脳卒中(脳出血、脳こうそく、クモ膜下出血)の患者を対象にした統一の「地域連携診療計画書」の書式を協力して作成しました。

この仕組みには、武蔵野赤十字、杏林大学付属といった両市内にある8病院に加えて、周辺地域の17病院が参加することになっています。

行政サイドは、地元医師会と協力して研修会などを開催し、開業医や介護事業者に対し、この連携体制へ参加するよう促すことにしています。

社会における高齢化の急速な進行を考えれば、今後、こうした自治体と民間業者との協力体制は、医療や介護サービスの充実にとって不可欠なものとなることでしょう。

武蔵野、三鷹両市の試みには、大いに期待したいですね。

2008年7月17日木曜日

「介護フェア2008」が有明の東京ビッグサイトで開幕

7月16日、有明の東京ビッグサイト(東京国際展示場)において、介護と医療をつなげる展示会「介護フェア2008」が開幕しました。

「介護フェア2008」は、18日までの3日間(入場無料、開場時間:10時~17時)の予定で開催されます。

「介護フェア2008」のテーマは、「介護と医療をつなげる~健やかに暮らし続けるために~」です。

具体的な趣旨は、高齢者が自宅や住み慣れた地域で、自らの尊厳を保持しつつ安心して生活していくために、介護予防、健康増進、在宅介護、地域ケアの連携体制を確立し、活力と生きがいのある高齢化社会作りを推進しよう、というものです。

「介護フェア2008」の来場対象者としては、介護・医療・福祉従事者、医療介護福祉施設管理者、在宅・施設サービス従事者、シルバービジネス関係者、介護福祉事業関連企業関係者、行政・自治体関係者、建築設計・施工関係者、住宅設備関係者などが想定されています。

各出展者のブースでは、さまざまな介護関連商品やグッズなどが紹介されています。

たとえば、介護食、ポータブル水洗トイレ、介護士シューズ、除菌タオルディスペンサー、訪問介護時間管理システム、在宅高齢者支援IP電話システム、高齢者介護支援システム、ノロウイルス対策の電解水洗いシステム、感染防止・床ずれ予防マットレス、介護入浴用体重計、寝返り支援や洗髪などの介護負担を軽減するための多機能ベッドなど、多種多様なアイテムが展示されています。

さらに、介護保険適用外の家族介護のお手伝いサービスなどの紹介も行われるそうです。


介護と医療の現状と今後の展望を知る上でも、「介護フェア2008」は、介護・医療関係者必見のイベントといえるでしょう。

2008年7月11日金曜日

フィリピン人介護士が言葉の壁に苦しみ無念の帰国

自国で2年間の介護士勤務経験をもつあるフィリピン人が、日本の介護施設での勤務継続を断念し、この春帰国していたことがわかりました。

フィリピン人介護士のオリビアさん(31)は、日本国内の介護支援施設に受け入れられたフィリピン人15人(全員がフィリピン政府公認の介護資格を所有)のうちの一人として、2006年4月に来日していたそうです。

日本在住中、オリビアさんは、午前中は新宿にある日本語学校で授業を受け、午後は、東京都郊外にある介護老人保健施設で勤務するという日常を送っていました。

介護老人保健施設での仕事内容は、シーツ交換や床の掃除、入所者への食事の配膳が主で、直接的な介護業務には携わることができなかったようです。

直接介護を任されなかった主要因は、オリビアさんの日本語能力不足でした。

片言の日本語では信頼関係を築くのは難しいと判断した施設側は、オリビアさんを介護業務から外すことにしたとのこと。

この介護老人保健施設には、平均年齢83歳の高齢者が入所しています。
その中には多く認知症患者も含まれていることから、施設では、入所者の体調を判断する情報として、入所者との「会話」を重要視していたのです。

「フィリピンで介護士として働いていた経験を日本でも生かしたいけど、日本語は本当に難しいです」という言葉を残して帰国したオリビアさんですが、チャンスがあればまた来日したいという意志もあるようです。

オリビアさんが今回の日本での経験を生かし、母国での研鑽を積んだのち、再度日本の介護現場で活躍できる日が来ることを祈りたいと思います

日本で介護士として働きたいという希望に燃えた外国人介護士が、介護現場で直接介護業務に携われるよう、国は、より手厚い受け入れ体制や育成システムの構築を急ぐべきなのではないでしょうか。

2008年7月10日木曜日

高齢者の外出の障害となる排せつ問題の実情

山形大学医学部と山形市が、排せつと介護に関する興味深い研究結果を発表しました。

この研究は、高齢者の排せつに対する不安を解消することによって外出回数を増やし、介護予防につなげようという目的で、2006年度と207年度の2度にわたり、山形市内の6地区で、要支援認定などを受けた高齢者らを対象におこなわれました。

研究結果からは、排尿症状と外出回数との間には、密接な因果関係があることがうかがえます。

たとえば、排せつの問題が外出に与える影響が「とてもある」「ある」「少しある」と答えた高齢者は、調査対象者全体の40.5%に相当する計330人に上りました。

このように排せつに関する問題に悩む高齢者は多く、2006年度の調査では、頻尿や切迫性尿失禁などの悩みを抱えている高齢者は、1076人中787人と、実に全体の73.1%に達しています。

しかしながら、排せつに関する悩みを医師や家族に相談した高齢者は、2006、2007年両年度の調査における816人中305人にとどまり、全体の37.7%にしかすぎないこともわかったのです。

こうした研究結果に基づいた今年3月の報告会において、参加した高齢者からは、「急にトイレに行きたくなり車を止めたら、警察官に駐車をとがめられた。二度と外出したくない」、「店の入り口にトイレがあるだけで気持ちが随分楽」といった、さまざまな訴えが寄せられました。
こうした高齢者の生の声を受けて、研究報告では、トイレに行きやすい環境作りが大切だとの提言がなされています。

高齢者の外出促進は、介護予防という観点から見ても非常に重要ですから、今回の報告内容は、きわめて貴重なものと言えるかもしれません。

2008年7月9日水曜日

東京都都社会福祉協議会が介護報酬の見直しを求める緊急提言

東京都都社会福祉協議会の介護保険居宅介護支援事業者連絡会は、来年4月に予定される介護報酬改定に向けて、厚生労働省に対し、介護報酬の引き上げや地域事情に応じた見直しを求める緊急提言書を提出しました。

この緊急提言書は、訪問介護員の定着度などについて実施したアンケート調査の結果に基づいたものです。

アンケート調査結果によれば、回答があった都内191カ所の居宅介護支援・訪問介護事業所のうち95%までが、「訪問介護員が不足している」と答えました。

また、そのうちの70%の事業所は、「新規の利用者を受け入れることができなくなった」と、その運営状況の厳しさを訴えています。

介護職員を定着させるための方策の項目への回答では、「賃金・労働時間などを改善した」と答えた事業所が50%を占め、「職場内のコミュニケーションを円滑化させる手立てを講じた」という事業所は64%に上りました。

この数値は、介護労働安定センターが2006年度に実施した全国調査の数値を上回っています。

緊急提言書の中で、介護保険居宅介護支援事業者連絡会は、上述のアンケート調査結果をもとに、厚労省に対し、介護報酬の大幅引き上げと各地の人件費や物価などを勘案した地域係数の見直しなどを要求しています。

2008年7月5日土曜日

高齢者専用賃貸住宅が全国規模で急増する理由とは?

デイサービス施設やヘルパーのいる訪問介護センターなどが併設されている高齢者専用賃貸住宅(高専賃)が、6月末現在で、昨年3月末の406件(9986戸)と比べ、ほぼ倍増していることが、高齢者住宅財団の調査で明らかとなりました。

高専賃は、高齢者が1人でも暮らしやすい構造を有しており、入居率もきわめて高いそうです。

高専賃への入居者の事例を見ると、自立して生活している高齢者が、健康状態が悪くなった場合に備えて入居するケースが多いとのこと。

たとえば、今年3月に長野市内に開業したある高専賃は、2階建てで、各部屋とも、車椅子がスムーズに出入りできる段差がないフローリング構造になっています。

一般のマンションと同様に、玄関は独立しており、高齢者施設のような面会時間の設定はなされていません。

各部屋の面積は、1人部屋が25~35平方メートル、夫婦用2人部屋が43平方メートル。

月額家賃は6万2000円~9万5000円で、別途運営事務費などの3万3000円が必要となります。
また、入居時には、一時金として90~180万円を支払うことになります。
  
こうした高専賃が全国的に増加している背景としては、2006年の介護保険法改正により、自治体が有料老人ホームの設置数を実質的に規制できるようになった点があげられます。

現状では、各事業者が都道府県に有料老人ホームの設置申請を提出しても、地域的な偏りなどを理由に、市町村が事実上「拒否」の意見書を出す場合が多いそうです。

こうした現状を鑑みれば、特別養護老人ホームと在宅介護との中間的な位置づけとしての高専賃は、今後ますます増加していくことが予想されます。

2008年7月4日金曜日

「第4回認知症の医療と生活の質を高める緊急プロジェクト」が認知症対策の取りまとめ案を提示

6月30日、厚生労働省は、「第4回認知症の医療と生活の質を高める緊急プロジェクト」を開催し、認知症対策の取りまとめ案を提示しました。

会議では、これまで、認知症の早期発見と診断、そして適切な医療を提供するため、認知症専門医療機関を設置することを検討してきました。
その結果、全国1150カ所に「認知症疾患医療センター」を設置することが決定されました。

また、認知症疾患医療センターの設置を契機として、各地域の医療と認知症ケアとが連携できるよう、全国に3800カ所ある地域包括支援センターの中に、「認知症連携担当者」を配置していく運びとなりました。

従来行われてきた会議においては、専門医療機関と介護保険のつなぎ役を務めることから、「コーディネーター」という呼称が検討されてきましたが、取りまとめ案では、「認知症連携担当者」という呼称に変更されました。

地域包括支援センター内の職種としては、主任ケアマネジャー、社会福祉士、保健師に続く、4つめの職種の誕生ということになります。


「認知症連携担当者」の主な役割は、以下の4つに大別されます。

1.認知症と確定診断された高齢者の情報を把握する

2.その情報を基づき、利用者の住所地の地域包括支援センターに対し、利用者情報や専門医療情報の提供を行う

3.要介護者に対し、専門医療や権利擁護の専門家の紹介する

4.認知症ケアに関する専門的相談・助言を行う


取りまとめ案には、さらに、認知症に対応可能な地域ケアを強化するべく、ケアマネジャー、地域包括支援センターの従業者、介護サービス事業所の従業者、医師といった、専門職同士による研修の実施も盛り込まれました。

こうした研修では、認知症やその治療、そして認知症患者の介護に関する事例を検討することになっています。

2008年7月3日木曜日

65歳以上の高齢者1人当たりの介護給付費が初めて減少

65歳以上の高齢者1人当たりの介護給付費が、2000年度の制度開始以来初めて減少したそうです。

7月2日に厚生労働省が公表した2006年度の介護保険事業状況報告によれば、65歳以上の高齢者1人当たりの介護給付費は、前年度比5000円(2・2%)減の21万9000円にまで減少しました。

減少した理由としては、次の2点が挙げられています。

1.2005年10月から全額自己負担となっていた、特別養護老人ホームなどの介護施設の食費や居住費が、2006年度からは通年負担となったこと。

2.2006年度から、要介護度が低い高齢者が受けられる家事援助も減らされたこと。


2006年度の高齢者数は、89万人増の2676万人に達し、サービス受給者に関しても、17万人増の354万人に増加しました。

給付費は、制度改正の影響で毎年8700億から2300億円ずつのペースで増加していましたが、2006年度は、800億円(1・4%)増の5兆8743億円と、最小の伸びに留まりました。

しかし、介護給付費の低減の裏で、自己負担金の増大に苦しむ高齢者が増え続けているという側面も、けっして忘れてはならないでしょう。