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2008年6月27日金曜日

重度訪問介護事業の人材確保の危機的状況が明らかに

「全国障害者介護保障協議会」やNPO法人「DPI(障害者インターナショナル)日本会議」などで構成される、「障害者の地域生活確立の実現を求める全国大行動実行委員会」は、6月26日までに、重度障害者の訪問介護サービスに関する実態調査の中間集計結果を公表しました。

この集計結果により、身体介護サービスなどと比較すると、重度障害者の訪問介護サービスは、その報酬単価がより低く設定されているため、人材確保が困難をきわめ、新規の介護サービス利用者を受け入れにくい状況にあることが明らかとなりました。

今回の訪問介護サービスの実態調査は、全国の重度訪問介護事業にたずさわる事業者、ヘルパー、利用者らを対象として実施されたものです。

公表された中間集計結果には、5月26日までに回答があった事業所54か所、利用者151人、ヘルパー877人の実態が反映されています。

集計結果を分析すると、訪問介護サービスの事業所における人材不足はかなり深刻で、職員の離職率が2割を超えている事業所が約半数を占め、3割以上に達した事業所は、全体の約3割に上っています。

事業所がヘルパー募集をおこなっても、面接に至る応募者は月平均2.3人に過ぎず、年間の採用総数はわずか14.8人にとどまるなど、重度訪問介護サービスにおける人材確保は、重大な局面を迎えつつあると言っても過言ではありません。

こうした人材確保の難しさは、当然のことながら、訪問介護サービスの利用者に対し深刻な影響を及ぼしつつあります。

ヘルパーの離職率の高い事業所は、新規利用者の受け入れに困難を来す場合が多く、昨年1年間の新規利用者が2名以下だった事業所が60%近くを占めています。

また、こうした事業所のうち、新規利用者がゼロだった事業所の割合は約20%に達しているとのことです。

重度訪問介護サービス利用者の中には、泊まりの介助をしてくれるヘルパーが辞めることになり、代わりの人を探すのに半年以上もかかった、という悲痛な声を上げる方も含まれています。

今回の中間調査結果を見る限り、重度訪問介護サービス事業の人材を早急に確保するために、一刻も早く有効な施策を講ずる必要があると言えるでしょう。

2008年6月26日木曜日

東京都が介護現場での一日職場体験とインターン実習生を募集

東京都が、介護現場の人材確保と育成を支援するため、介護現場での一日職場体験やインターンシップの受け入れを実施すると発表しました。

東京都福祉保健局によれば、今回の募集の概要は次の通りです。

一日職場体験では、介護現場の採用希望者が、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、認知症高齢者グループホーム(GH)において、就労場所での仕事内容を実体験してもらうことになっています。

一日職場体験は、介護施設側と採用希望者側双方が、お互いの条件を確認しあい、介護事業における人材の安定的確保を実現することを目的としています。

インターンシップ事業は、将来介護現場での勤務を希望する無給インターンを受け入れ、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、認知症高齢者(GH)において、約1カ月間の実務を経験することを通じ、介護業界の実情を知ってもらいながら、インターンの能力の向上を図ろうとするものです。


【募集対象者】

一日職場体験:介護業界および施設への採用希望者。

インターンシップ:将来介護業界への就労を希望する方。

※ともに資格や経験は不問。職場体験・インターン期間は無給。


東京都は、両事業を行なう施設に対し、希望者を受け入れる場合、昼食費や雑費などの補助として、希望者一人につき1500円を支給することにしています。

今回の東京都の試みが、人材確保に苦労する介護現場の現状への有効な打開策となりうるものかどうか、今後注目していく必要がありそうです。

2008年6月25日水曜日

2008年の介護事業者の倒産は過去最悪ペースであることが判明

2008年度の介護事業者の倒産件数は、2000年度に介護保険制度が導入されて以来、過去最悪のペースで増え続けていることが、民間信用調査会社・東京商工リサーチの調査によって明らかになりました。

今年度1~5月までに倒産した介護事業者の負債総額は、100億9千3百万円におよび、過去最悪だった2006年度1年間の114億7千9百万円の9割近くにまで達しているというのです。

倒産件数は21件で、過去最悪だった2007年の35件の6割に相当する数字となっています。

これらの介護事業者が倒産に追いこまれた要因としては、まず、給付費が抑制されたため、介護事業者に支払われる介護報酬が、2006年度の改定で引き下げられたことが挙げられます。

また、各介護施設における人手不足が深刻の度を増し、人材確保がままならない介護事業者が増加したことも、倒産件数増加の大きな一因をなしているようです。

背景としては、介護事業者同士の競争激化や、行政による規制強化なども、かなりの影響を及ぼしていると言えるでしょう。

無論、こうした介護事業者の苦境は、介護施設の現利用者に直接的な打撃をあたえることでしょう。

2008年の倒産事業者の内訳は、訪問介護が9件、介護施設(特別養護老人ホーム、有料老人ホームなど)が12件でした。

2007年度の倒産件数は、訪問介護が18件、介護施設が17件でした。
総負債額は77億7千3百万円で、2006年よりは減少したものの、これらの数字には、訪問介護事業最大手だったコムスンの事業撤退の数字などは含まれていません。

東京商工リサーチの分析によれば、訪問介護分野は、報酬引き下げの直撃を受け、介護施設系の場合は、食費と居住費が全額利用者負担となったことが、倒産の主要因と言えそうです。

つまり、食費と居住費の負担に耐え切れず、利用者が退所してしまうこともあるからです。

食費と居住費の全額を利用者から受け取るのが難しいため、大幅な減収に見舞われた介護事業者も少なくありません。

介護事業者が倒産に追い込まれ、介護事業から撤退すれば、利用者は満足のいく介護サービスの提供を受けられなくなり、介護施設からの退去という最悪の事態に追い込まれる可能性もあります。

厚生労働省は、こうした介護業界の惨状を直視し、2009年度の介護保険制度の改定では、報酬引き上げについて真剣に検討する必要性に迫られています。

2008年6月21日土曜日

認知症予防対策をわかりやすく解説した『ぼけない! ~認知症にならない生活~』が発売

6月24日(火)、誰もが実践できる認知症予防対策についてわかりやすく解説した『ぼけない! ~認知症にならない生活~』(皆川正夫著 毎日コミュニケーションズ)が全国の書店で発売されます(新書版定価819円)。

高齢化社会の到来と共に、認知症の存在自体は広く知られてきてはいますが、認知症の症状を詳細に理解し、認知症を引き起こす原因の予防を日常的に心掛けている方は、けっして多いとは言えないのが現状です。

ぼけない! ~認知症にならない生活~』では、食習慣や生活習慣の改善などを中心とした、誰でも実践可能な認知症予防対策が紹介されています。

たとえば、「認知症研究および治療の最先端レポート」、「認知症予防の方法」、「認知症にならない生活習慣・食習慣とは?」、「もし、不幸にして家族が認知症になったらどう対応するべきか」などをテーマにして、認知症の基礎知識から具体的な予防策までを理解することができるよう、認知症治療の最新情報を盛り込みながら平易に解説されています。


本書は、認知症患者のケアに当たるご家族や介護関係者のみならず、きたるべき老後への備えとして、すべての人のための必読の書と言えるかもしれません。

2008年6月20日金曜日

インドネシアで介護福祉士・看護師候補者の面接・適性検査が始まる

6月16日、インドネシアのジャカルタで、インドネシアから介護福祉士と看護師の候補者を受け入れるための面接・適性検査が開始されました。

インドネシアからの介護福祉士と看護師の候補者受け入れは、5月16日の参議院で承認された、日本とインドネシアの経済連携協定(EPA)に基づくものです。

国際厚生事業団(あっせん機関)の発表によれば、介護福祉士と看護師候補者の面接は、16日から5日間の日程で実施されるとのこと。

インドネシア側の選考後の内定者は、6月19日現在で、介護福祉士が100名、看護師が155名にとどまっており、日本側が今年度予定している介護福祉士300名、看護師200名という上限には、未だ達していません。

国際厚生事業団は、内定者が少なかった理由として、5月の衆議院で承認されてからの募集期間が短かった点や、インドネシアには介護福祉士という資格が存在しないため、応募資格を看護師に限定した点などを指摘しています。

介護福祉士と看護師の候補者の今後の予定ですが、内定者と受け入れ施設との調整を行った後、雇用契約の締結を経て、介護福祉士は7月下旬、看護師は8月上旬に、それぞれ日本に入国することになっています。

2008年6月19日木曜日

日本介護支援専門員協会(JCMA)が財務省の「軽度者に対する介護給付の見直しによる影響額試算」への反対を表明

日本介護支援専門員協会(JCMA)が、「軽度者に対する介護給付の見直しによる影響額試算」対する反対声明を出しました。

財務省の諮問機関である財政制度審議会は、5月13日、「軽度者に対する介護給付の見直しによる影響額試算」3案を提示していました。

その内容はいずれも、軽度者(支援1・2、要介護1・2)に対する給付を削減するというものだったのです。

「軽度者に対する介護給付の見直しによる影響額試算」の中では、次の三つのパターンについて機械的に試算されています。

①介護保険制度の対象外とする
②生活援助のみの給付を介護保険制度の対象外とする
③自己負担割合を1割から2割に上げる

財務省は、こうした「介護給付の見直し」が行われれば、介護給付費は最大で年間約2兆900億円、国庫負担は約6100億円削減することが可能になり、40歳以上の保険負担額が、一人当たりで約15000円軽減できる、と試算しています。

日本介護支援専門員協会(JCMA)は、上記のような試算は、財務省側の「机上の計算」過ぎないと強く反発していました。

社会保障費の財源問題を、単に軽度者への給付削減に結びつければよしとする財務省の考え方に、真っ向から反対しているのです。

そもそも、介護者の観点からみれば、要支援1・2、要介護1・2のレベルにある方を「軽度者」と位置づけること自体が、はなはだ疑問だというのです。

要支援の区分は元来、要介護レベルの重度化への進行を抑止し、社会保障費の増大を抑制するという意図から創設されたはずなのですから、今回の財務省の「試算」は、明らかに大きな矛盾をはらんでいるわけです。

日本介護支援専門員協会(JCMA)の調査では、要介護1・2の利用者の半数は認知症であることが明らかになっています。

こうした要介護者をを軽度者として扱い、介護サービスの適用から除外していけば、住み慣れた地域で高齢者に医療・介護サービスを提供していくという国の方針に、まったくそぐわない事態が生じる可能性があると、JCMA側は大きな危機感を抱いています。

財務省による「試算」は、税や保険料負担について抜本的な改革を考慮せず、一方的に出されたものでした。

日本介護支援専門員協会(JCMA)は、従来から、多職種が協働するケアマネジメントの徹底化を図れば、過不足のない医療・介護サービスが提供ができるという、一貫した主張をつらぬいてきました。

今回の日本介護支援専門員協会(JCMA)の反対声明は、財務省側の「机上の計算」の実効性のなさを、厳しく指摘したものと言えるでしょう。

2008年6月13日金曜日

東京都高齢者研究・福祉振興財団が『第4回介護予防大作戦in東京』を開催

介護予防のイベント開催についてのお知らせです。

今夏7月11日および12日の2日間にわたり、東京都高齢者研究・福祉振興財団が、『第4回介護予防大作戦in東京』を開催します。

同イベントでは、介護予防の普及をテーマにして、各種講演や高齢者自主グループ活動の発表・展示 などが行われる予定です。

日時、開催場所その他については、下記の通りとなっています。



◎開催日時:
7月11日(金)13:00~16:30
7月12日(土)10:00~16:00


◎開催会場:
東村山市立中央公民館
所在地 東村山市本町2-33-2
西武新宿線東村山駅から徒歩2分


◎イベント内容
【7月11日(金)】
基調講演
テーマ:「介護の危険は足腰から」
東京都老人総合研究所 大渕修一氏

【7月12日】
記念講演
テーマ:「地域で共に生きる」
NHKアナウンサー 町永俊雄氏

【2日間共通】
体力測定・介護予防体験コーナーの設置
高齢者の自主グループ活動の発表・展示


◎参加者定員:両日とも先着457名


◎参加費用:入場無料(申込不要)


◎主催者:
財団法人東京都高齢者研究・福祉振興財団、東京都老人総合研究所、文京区


◎問合わせ先:
東京都老人総合研究所介護予防緊急対策室
電話番号 03-5285-8440

東京都福祉保健局高齢社会対策部在宅支援課
電話番号 03-5320-4271

2008年6月12日木曜日

「高齢」と「認知症」との関係性に関する画期的な研究成果

オランダのフローニンゲン大学病院(UMCG)の研究者グループが、アルツハイマー型認知症などと「高齢であること」との関係性について、きわめて興味深い研究結果を発表しました。

研究報告の中で、研究者たちは、115歳の高齢で亡くなったあるオランダ人女性が、死去するまで驚くほどの健康体を保っていた点に着目しています。

この女性が112~113歳だった当時実施していた検査結果によれば、心理検査や神経学的診察の結果は、いずれも正常値の範囲内にあり、それどころか60~70歳の平均値を上回る数値を示したというのです。

また、彼女の脳には、認知症や記憶力・注意力の衰えの兆候すら認められなかったそうです。

脳内検査では、アルツハイマー型認知症患者に典型的な異常や、認知症発症原因の1つである、タンパク質の一種ベータアミロイドの蓄積は、まったく確認されず、脳細胞数も60~80歳の正常値を維持していました。

彼女の全身の血管には、脂肪性の沈着物が血流を妨げるアテローム動脈硬化の痕跡も皆無でした。

この女性は生前、とても機敏で、はっきりとものを言う方だったそうで、好奇心も旺盛であり、国内外の政治やスポーツといった、世界の動向に強い関心をを抱きながら生活していたとのこと。

今回研究対象になったオランダ人女性の事例は、高齢者の脳機能維持に関する研究に一石を投じることにだろうとされています。

人生の最後を迎えるまで十分な記憶力や注意力を維持できるような医学的サポートの実現。

それを現実のものとするために、さらなる研究の進展が望まれるところです。

2008年6月11日水曜日

喫煙で高まる認知症発症リスク(仏国立保健医学研究所の研究結果)

認知症を誘発する新たな危険因子が明らかになりました。

フランス国立保健医学研究所(Institut National de la Sante et de la Recherche Medicale、INSERM)が、喫煙習慣がある人には、中年期以降に記憶力減退傾向がある、との研究結果を発表しました。

仏国立保健医学研究所は、1985年から88年にかけて記憶力に関する調査に協力した、ロンドン在住の公務員1万308人の医学データを分析しました。

その結果、喫煙習慣と、中年期以降の記憶力・認知力の減退傾向と間には、密接な因果関係あることがわかったのです。

明らかになった主な点は、次の通りです。

① 中年期の喫煙は、記憶障害や推論能力の減退を誘発する。

② 禁煙後の期間が長ければ長いほど、記憶力、語彙力、言葉の流暢さが減退しない。。

③ 中年期に入ってから禁煙すると、健康に対する意識が向上する。

④ 喫煙による死亡率が高いため、高齢者を含めた喫煙と認知力の相関性には、実際にはさらなる高い可能性が認められる。


仏国立保健医学研究所の研究チームは、「中年期に認知障害がある人は認知症に速く移行する可能性があることから、今回の分析結果は重要な意味を持つ」と指摘し、研究結果の有効性を強調しています。

折りしも日本では、タバコの値上げについて議論されていますが、仮に1箱1000円といった価格が設定されたあかつきには、喫煙者は大幅に減ることでしょう。

フランスでの研究結果に基づけば、禁煙者数の増加は、認知症発症率を確実に低下させるわけですから、タバコの価格上昇は、他の物価上昇とは異なり、超高齢化社会にとっては歓迎すべき事柄なのかもしれません。

2008年6月6日金曜日

「介護職員の生活を守る緊急全国集会」での介護労働者たちによる悲痛な訴え

6月5日、全国老人保健施設連盟は、東京都千代田区の日比谷公園大音楽堂で、「介護職員の生活を守る緊急全国集会」を開催しました。

同緊急全国集会では、「いまこそ、私たちの声を国会に、そして官庁に!」を主要テーマとして、介護職員の待遇改善を強く求めるアピール活動が行われました。

日比谷公園大音楽堂には、介護現場で働く介護職員、介護施設の利用者とその家族、介護施設事業者などが集まり、現在の介護職の労働環境の悪化状況について報告しました。

この集会には、介護職の待遇改善を求める160万人分の署名活動の契機となる手紙を書いた、埼玉県内の老健に勤務する男性職員も参加したそうです。

そして、安心して生活できる給与の保障を求め、複数の介護職員らによる意見表明がなされました。

表明された意見の中には、毎年の社会保障費2200億円の削減(「骨太の方針2006」)の撤廃や、介護報酬のプラス改定の要求などが盛り込まれました。

同緊急全国集会には、与野党から国会議員も参加し、介護労働者たちの悲痛な決意表明の数々に、神妙な面持ちで耳を傾けていました。

2008年6月5日木曜日

新介護予防施策の現時点での効果の有無は?

5月28日、厚生労働省が開催した第4回介護予防継続的評価分析等検討会において、介護予防サービスの効果分析や、利用回数の変化と介護度の変化との関連性に関する話し合いがおこなわれました。

厚生労働省は、介護予防施策導入後における成果を検証するため、2007年1月から、介護予防施策を評価・分析する事業を開始していました。

2008年5月現在で、83市町村の介護予防関連データを収集し、介護予防継続的評価分析等検討会が、来年3月末に最終的な評価を下す予定になっています。

現時点では、要支援1の高齢者1000人を1年間追跡したところ、要介護状態が悪化する人数は、介護予防施策導入前の389人に対して、導入後は234人になりました。
すなわち、要支援1の高齢者に関しては、統計学的みても一定の介護予防効果が見られたわけです。

それに対し、特定高齢者施策に関する検証では、1000人の対象者を1年間追跡した結果、介護予防施策導入前の101人中、導入後に要介護レベルが悪化した高齢者の数が82人に達し、19人減少したとはいえ、統計学的な有意差は認められないという判断がなされました。

つまり、現時点においては、要支援1に関しては統計学的に有意な介護予防効果が認められるものの、特定高齢者では有意な結果が得られなかったということになります。

しかし、検討会の委員の間からは、「観察期間が短く、特定高齢者施策が効果がないと決めることはできない」、「母集団の数を増やしたら違う結果が出るのでは」、「1年、2年のデータでは足りない」といった異論も唱えられ、まだ最終的判断を下す段階ではないとの意見が多数を占めました。

評価基準そのものについても疑問が投げかけられ、要介護度だけでなく、生活機能や活動の自立度といった観点も加味するべきだ、といった意見も出されました。

介護予防施策は、超高齢化社会の到来とともに、今後ますます重要性を増してくるでしょう。

来年3月、介護予防継続的評価分析等検討会が下す最終評価の中身が、今から大いに注目されるところです。

2008年6月4日水曜日

介護型療養病床9000床が医療型療養病床・一般病床に転換

国内の約37万床の療養病床を、2012年度末までに約15万床に削減(介護型に関しては全廃)することをもくろむ厚生労働省。

そうした国の方針を反映して、2006年から2008年4月までに、全国の介護型療養病床が、およそ9000床削減されたことが、自民党の「療養病床問題を考える国会議員の会」の調査で明らかになりました。

療養病床の転換を推進するべく、今年5月、国は介護療養型老健を創設しました。

厚労省側の説明では、「看板を付け替えるだけ」ということでしたが、介護型療養病床から介護療養型老健への転換は、厚労省の青写真通りには進んでいないようです。

介護型療養病床を介護療養型老健に転換した場合、基本施設サービス費が約8割減収してしまうことが、その大きな理由です。

利益率も下がるなど、経営が厳しくなるような転換に、病院サイドが及び腰になるのは、当然のことと言えるでしょう。

介護型療養病床を抱える病院の多くは、介護療養型老健への転換を敬遠し、介護型は医療型に、医療型は一般病床などに転換しているのが現状のようです。

こうした実情を見る限り、厚生労働省の療養病床削減方針は、抜本的に見直される時期にきているのではないでしょうか。

2008年6月1日日曜日

全国福祉保育労働組合神奈川県本部が「福祉労働者のための電話119番」を開設

5月31日、横浜市内で、過酷な福祉現場からの相談を無料で受ける「福祉労働者のための電話119番」始まりました。

フリーダイヤルを開設する全国福祉保育労働組合神奈川県本部(荒井忠委員長、組合員450人)によれば、離職率が高い福祉労働現場からの切実な声が次々に寄せられているそうです。

介護老人保健施設に勤務するある女性労働者は、「人手不足でシフトが回らず、昨年は有給休暇を一日も取れなかった。どうしたらいいのか」と、職場の厳しい現状を訴えました。

また、地域包括支援センターで働く別の女性労働者は、「ケアマネジャーがほかの施設に引き抜かれ、休めなくなった」と悲鳴を上げています。

全国福祉保育労働組合県本部では、こうした福祉労働の現場の激務ぶりを訴える相談に日常的に応じているそうです。

さらに、必要があれば、組合として改善や仲裁に乗り出すだけでなく、労働基準監督署などと連絡を取り合って事態の改善・解決に努めています。

同労組の荒井委員長は、「24時間、365日の対応が求められる介護現場からの相談が多いが、夜間保育もある保育士や障害者施設の職員も重労働で悩みは深い」と語ります。

福祉労働現場の賃金状況の低さも深刻です。

たとえば、障害者グループホームの実質的な所長として住み込みで働いているにもかかわらず、年収が400万円足らずの男性や、低賃金の福祉現場に勤務しているせいで親元を離れられない「パラサイト・シングル」、そして福祉職以外に密かにアルバイトする「ダブル・ワーカー」の若者など、低賃金にあえぐ福祉労働者は、おびただしい数に上ります。

こうした福祉労働現場の過酷さをを反映して、最近では新卒者を確保することが困難になり、パートや人材派遣会社に頼って欠員を補充している福祉施設が増えてきました。

全国福祉保育労働組合神奈川県本部は、福祉労働現場の離職率の高さを次のように分析しています。

「福祉の仕事にやりがいを感じて職に就いた人が多く、待遇が悪いというだけで離職する人は少ないが、人手不足で休みが取れなくなったり、職場の人間関係が悪化したりするのが大きな原因」

ちなみに、6月1日の「福祉労働者のための電話119番」は、午前10時から午後1時までとなっています。

フリーダイアル:0120(918)096

福祉労働現場の過酷な労働の現状を、ぜひお寄せください。