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2008年3月30日日曜日

有料老人ホームの不当表示に公取委が警告

有料老人ホームの入居者募集パンフレットの説明で、事実と異なる不当表示を行った、有料老人ホーム運営会社3社が、景品表示法に基づき、警告・是正を求められました。

28日、公正取引委員会は、札幌などにある有料老人ホーム運営事業者3社に対し、パンフレットの記載内容が不当表示(優良誤認など)に相当すると通告し、早急に是正するよう命じました。

有料老人ホームに関連した景品表示法違反関係の警告が出されたのは、北海道では初めてのことです。

公取委の発表によれば、3社は警告内容を重く受け止め、ただちに表示を修正する意向を示しました。

今回警告を受けた事業者は、ベストライフ(東京都新宿区)、ふとみ総合施設(石狩管内当別町)、おいらーく(札幌市東区)の3社です。

これらの事業者は、札幌市、石狩管内当別町、仙台市などで、合計7施設の有料老人ホームを運営しているとのこと。

公取委の調査では、ベストライフとおいらーくの2社は、2005年9月~2007年11月の期間、重要事項説明書、パンフレット、および自社ホームページ上に、「看護職員を24時間配置している」、「テレビ電話、医務室兼相談室が設置されている」といった、実際には行われていないサービスを、さも実施しているように見せかける記載を行っていました。

さらに、ふとみ総合施設は、2006年11月から2007年11月までの期間、自社が運営する有料老人ホーム1室あたりの月額利用料金や入居時協力金等について、正確な人数などの条件を明示しないまま、入所費用の金額を記載していました。

こうした不誠実な事業者の存在は、不当表示の内容を信じて入居した高齢者やその家族にとって、決して容認できることではありません。

要介護者が安心して老人ホームを選択できるよう、当該行政機関は、抜本的な不当表示防止策を講じるよう求められています。

2008年3月29日土曜日

介護保険施設(宮城県内)の33%が身体拘束を実施

宮城県が、県内にある介護保険施設を対象とした「身体拘束廃止に関する調査」の2007年度結果を公表しました。

この調査は、特別養護老人ホームやグループホームなどを対象に実施されました。

調査結果によれば、身体拘束をまだ実施している回答した事業所は33.8%と、身体拘束廃止に関する調査が始まった2001年度の72.8%に比べ、半分以下まで減少しました。

その一方、施設管理者の約3分の1が、職員数が足りないため、身体拘束の廃止は現実的に難しいと回答し、拘束廃止を完全に実現するまでの道のりは、まだまだ長いというのが現状のようです。

介護保険制度の指定基準では、介護保険施設の入所者に身体拘束を行うことを、原則的に禁止されています。

「身体拘束廃止に関する調査」は、昨年の11月、宮城県内の介護施設457カ所を対象に実施され、前年度に比べ10カ所多い361カ所の施設から回答が寄せられました。

361の介護施設のうち、「拘束を行っている」と回答したのは122カ所で、全介護施設の入所者1万5849人のうち、2.4%に相当する383人が身体拘束措置をを受けていることがわかりました。

身体拘束を受けた延べ人数は555人にのぼり、その中で緊急事態や不可抗力によって身体拘束を受けた入所者は、延べ382人に達しました。
それ以外の173人に対しては、主治医の指導、他の措置の欠如、家族からの強い要請などの理由に基づき、ミトン型手袋による拘束(85人)、ベッド柵への拘束(63人)、つなぎ服による拘束(14人)などが施されました。

調査結果では、身体拘束廃止に向けて特に効果のあった事例についても報告されています。

入所者への声掛けや見守りを強化することによって身体拘束をなくしたり、柵を使用せず、ベッドマットの下にナースコール・ボタンを設置して入所者の身体の動きを把握するといった、介護施設職員のさまざまな努力の跡が垣間見えます。

しかし、他方では、拘束廃止が各種の事故を発生させていると回答した介護施設も、165カ所ありました。
事故の事例としては、ベッドおよび車椅子からの転落事故、点滴チューブを引き抜く事故などが挙げられています。

また、介護施設の管理者361人のうち132人が、身体拘束の廃止が難しい理由として、「職員数が少ない」と回答しました。

127人の管理者が「身体拘束以外の介護方法がわからない」と答え、身体拘束は本人または家族が望んでいるので行っていると答えた管理者は、122人を数えました。

介護施設の入所者がより快適な生活を送れるよう、身体拘束に代わる方法の開発が早期に望まれます。

2008年3月28日金曜日

後期高齢者医療制度が高齢者にもたらす不安

後期高齢者医療制度」が、いよいよ4月1日からスタートします。

「後期高齢者医療制度」は、75歳以上の高齢者を対象とした制度で、対象となるお年寄りは、従来加入していた国民健康保険(国保)などから新制度に移行し、対象者全員が保険料を負担することなります。

この新たな医療制度の狙いは、増加する老人医療費を抑制することにあります。
約1300万人の対象高齢者は、これまで国保などに加入することによって、市区町村の老人保健制度のもとで医療を受けてきました。

しかし、今回の「後期高齢者医療制度」の導入にともない、3月中に新規の被保険者証が支給され、新たな医療体制のもとで医療行為の適用を受けることになります。

現行制度と比較してみましょう。

医療機関の窓口での費用負担が原則1割負担(一定以上の所得がある方は3割負担)である点は従来と同様ですが、大きく変わる点は、保険料の負担方法でしょう。

「後期高齢者医療制度」では、介護保険の場合と同様に、個人単位の加入することになるなります。
したがって、子どもや配偶者の被扶養者として保険料を支払っていなかった人も含めて、対象者全員が保険料を支払う義務を負うのです。

保険料額は、加入者全員が支払う「均等割」額と、所得に応じて額が決まる「所得割」額を合計して算出されます。

保険料額は、都道府県ごとで「後期高齢者医療制度」を運営する「広域連合」によって額などにより、格差が生じることが明らかになっています。
つまり、同じ収入でも、居住地が違えば保険料が変わるという「地域格差」状態を生み出すわけですね。

ただし、低所得者や、新たに保険料を負担する高齢者(200万人程度)には、軽減措置が講じられるようです。

保険料の全国平均額は、厚生労働省が発表した数字によれば、年額約72000円ということですから、月額に換算すれば、約6000円になります。

支払方法は、原則として、年金からの天引きです。
4月15日支給分の年金から、偶数月に、2カ月分ずつ天引きされて徴収されていくわけですね。

もし保険料を滞納した場合は、被保険者証を返還し「資格証明書」の交付を受けることになります。
その際は、いったん医療費を全額自己負担するような措置が講じられる可能性もあります。

各対象高齢者の保険料額は、4月上旬に通知される予定です。

事前に保険料額をお知りになりたい方は、各都道府県の広域連合にお問い合わせください。

「後期高齢者医療制度」による経済的負担が、対象高齢者に重くのしかかることが懸念されますが、新制度の運用が円滑にスタートできるよう祈りたいと思います。

2008年3月27日木曜日

介護付き有料老人ホームの「看取り」への取り組み

介護付き有料老人ホームは、入所者の最後を看取り、「終の棲家(ついのすみか)」としての機能を高めつつあります。

東京都八王子市にある「ケア付き高齢者住宅 明日見らいふ南大沢」の一時介護室では、医療ケアが必要になった人を受け入れる態勢を整えています。

しかし、特別養護老人ホームには認められているにもかかわらず、介護付き有料老人ホームの場合は、看取りの介護報酬加算がないため、介護報酬制度の見直しを求める声が高まりつつあるそうです。


介護付き有料老人ホーム「明日見らいふ南大沢」は、ターミナルケア(終末医療)部門の充実に努めています。

24時間、医師および看護師を常駐させ、介護居室50室の他に一時介護室も19床設け、医療的ケアが緊急に必要になった入所者どの受け入れに万全を期しています。

「明日見らいふ南大沢」では、2004年度以降、11人の入所者がホーム内で最期のときを迎えたそうです。

昨年10月には、「看取り介護に関する指針」も作成し、終末ケアの手法について、職員たちが共通認識をもつよう求めました。

2006年、介護保険制度では、特別養護老人ホームが看取りを行った場合、看取りの報酬が加算されることが決められました。

有料老人ホームが加算報酬を受け取るためには、まずケアの体制を整えなければなりません。
また、指針の策定も、不可欠な体制整備の一つとなっているようです。

介護付き有料老人ホーム「明日見らいふ南大沢」の指針は、特別養護老人ホームの指針を参考にして作られました。

施設の職員数などのような基本条件だけでなく、本人や家族への説明をおこなうなど、看取りに関する体制を確保し、現状でも特別養護老人ホームが加算報酬を受ける際と同等の条件を満たしています。

ところが、介護制度上、介護付き有料老人ホームには、看取りの報酬加算が認められていないのが現状です。

昨年12月、読売新聞社は、全国の介護付き有料老人ホームを対象に、アンケート調査を実施しましたが、10件を超える有料老人ホームが、看取りに関する加算を導入して欲しいとの要望を寄せました。

また、読売新聞社のアンケート調査では、介護付き有料老人ホームの報酬自体が、特養に比べて低く抑えられているとの指摘が多かったようです。
全室個室で、少人数ごとの介護を実施するユニット型個室を採用する特養老人ホームの場合、1日の介護報酬額(要介護レベル1から5の標準額)は、6570円~9290円になります。

介護付き有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護)の同条件での介護報酬額は、549円~8180円ですので、特別養護老人ホームとの介護収入格差は、ことのほか大きいことがわかります。

特別養護老人ホームには医師を配置する必要がありますが、介護職員・看護職員の配置基準(常勤換算)は、職員1人あたり各入居者3人と定められています。

先ほどのアンケート調査では、多くの介護付き有料老人ホームが、報酬差に疑問を持っていることが明らかになりました。

社会の高齢化や核家族化が進むにつれ、介護付き有料老人ホームのような「居住型介護サービス」のニーズ、より一層高まることでしょう。

入所者の看取りを含む医療ケアに積極的に取り組む有料老人ホームの姿勢に応えるためにも、行政は、特別養護老人ホームとの介護報酬格差の是正に迅速に取り組む必要に迫られています。

2008年3月25日火曜日

訪問介護事業所数が急減している要因とは?

ホームヘルパーを自宅に派遣する訪問介護事業所の数が、昨年12月以降3カ月連続で減少していることが、独立行政法人福祉医療機構の調査で明らかになりました。

介護需要自体は、高齢化社会の進行にともなって増加の一途をたどっています。
にもかかわらず、訪問介護事業所数が減少しているのは、なぜでしょうか。

訪問介護事業所数は、2000年度に介護保険制度が導入されて以降、ずっと増加傾向が続いており、こうした減少化傾向が明らかになったのは初めてのことです。

背景としては、2006年度に介護保険制度が改正されて、訪問介護事業では利益を出しにくくなってきたことや、人手不足による経営難があります。
また、訪問介護事業最大手のコムスンが事業所指定打ち切り処分を受けるといった、規制強化の流れも、訪問介護事業からの撤退に拍車をかけたようです。

こうした状況下では、事業所の撤退によって訪問介護サービスが受けられなくなるという事態も懸念されています。

独立行政法人福祉医療機構の調査によれば、2008年2月末の訪問介護事業所数は、は前年度同期に比べ、458減の27011だそうです。

訪問介護事業所数のピークは昨年5月度で、コムスンへの事業所指定打ち切り処分が決まった6月からは、4カ月連続で減少し続けます。

その後、一時的な回復をみせたものの、コムスンが他社への事業を譲渡し終えた12月以降は、再び減少化が続いています。

訪問介護事業は、介護保険が適用される中核的なサービスであり、食事や排せつ介助など、在宅の要介護者にとっては、まさに不可欠な事業です。

訪問介護事業には、介護保険制度開始と同時に、需要増を見込んだ企業が続々と参入したため、訪問介護事業所数は、事業スタート当初の2倍以上まで膨れ上がりました。

ところが、2006年度の介護保険制度の改定により、訪問介護事業者に支払われる介護報酬は、介護給付費抑制策の一環として抑制される結果となりました。
この影響から、経営難に陥る訪問介護事業者が続出したわけです。
ちなみに、介護報酬単価は、30分以上1時間未満を単位とすると、身体介護が4020円、生活援助は2080円になります。

訪問介護事業の人手不足は、仕事のきつさに見合わない報酬の低さや、他業種での人手不足に原因があると考えられています。

さらに、行政による一層の規制強化の動きが、訪問介護事業に新規参入しようという企業の意欲を削いでしまっている面もあります。

訪問介護事業所の減少が、地域の要介護者に大きな影響を及ぼさぬよう、政府および各自治体の抜本的対策が求められています。

2008年3月23日日曜日

介護現場で在日フィリピン人が活躍

介護現場は、慢性的な人手不足に悩まされているのが現状です。

こうした介護現場の状況を少しでも改善しようと、在日フィリピン人にホームヘルパーの資格を取得してもらい、介護施設に就職させる民間会社の取り組みが、新潟県三条市などで始まっています。

新潟県内の介護現場には、これまで外国人はほとんど勤務していませんでしたが、3月中旬までに、2人の在日フィリピン人がヘルパーとしての勤務を開始しました。

この介護者養成プロジェクトを主催するのは、三条市にある人材派遣会社「ピーエムシー」(谷晴夫社長)です。
ピーエムシー社は2007年11月、フィリピン人向けのホームヘルパー講座開設の認可を受け、日本人との結婚などによって三条市や長岡市に住むようになった在日フィリピン人男女8人に対し、ヘルパー業務に関する指導をおこなってきました。

受講生の在日フィリピン人は、2008年2月までに実習を終了し、全員がホームヘルパー2級の資格を取得しました。
その後、ピーエムシー社からの派遣社員として、これまでに2人が介護職につくことができたそうです。

人材派遣業のピーエムシー社としては、同業他社との差別化を図るために始めた事業ということですが、ピーエムシー社の谷社長は、将来、東南アジア各地域から介護・看護の人材を受け入れることになれば、在日フィリピン人の存在が助けになるはずだ、と今回のプロジェクトの成果に胸を張っています。

現在は、すでに第2期生の9人が長岡市で講座の受講を開始しており、6月以降は第3期生も募集する予定だそうです。

フィリピン人向けのホームヘルパー講座が、在日フィリピン人同士の口コミで広がりつつあり、今後、この介護者養成プロジェクトが大きな輪となって拡大していく可能性もあります。

現状で課題としてあげられているのは、病院、福祉施設、特別養護老人ホームなどの就業先が少ないという点です。

さらに、外国人を雇うことに尻込みする事業所がまだ多いこと、また、派遣社員ではなく正社員を希望する事業所が多いことなども、課題となっています。

ピーエムシー社の谷社長は、次のような目標を掲げ、今後の展開を見定めています。

・より専門性の高い資格の取得
・介護に携わる在日フィリピン人のネットワーク作り
・就業後の精神的なケア

この在日フィリピン人介護者養成プロジェクトは、日本の介護現場での人材不足を解消するための一つの有効策として、たいへん大きな期待を抱かせてくれます。

2008年3月21日金曜日

災害時要援護者名簿作成は各自治体のおよそ6割のみ

災害時に支援を必要としている高齢者障害者らを含む「災害時要援護者」に関し、全国各地の主要自治体のほぼ6割が名簿化していることがわかりました(朝日新聞社の全国の主要自治体を対象としたアンケート調査)。

2年前の約15%に比べ、名簿化の取り組みが進められている現状がうかがえますが、いまだ支援対象者の把握に手間取っている自治体も存在するようです。

アンケート調査は、46道府県の県庁所在市と、その他の4政令指定市に、東京23区を加えた計73自治体を対象におこなわれました。

要援護者の名簿作成を実施しているのは、今年度中の作成予定も含めると、43自治体(58.9%)でした。

また、名簿未作成も含め要援護者の範囲を定めているのは、53自治体(72.6%)を数えました。

要援護者の範囲は、各自治体が独自に定めており、自治体の大半が、国がガイドラインで挙げる3つの枠内に区分しています。

1.介護保険法で要介護3以上と認定された在宅者
2.身体障害者または知的障害者
3.高齢の独居者と高齢者のいる世帯

東京都北区では、「本人や家族だけでは避難が困難な65歳以上と障害のある人」に「区長が援護の必要を認めた人」を加えて、要援護者の範囲拡大を図っています。

反面、名簿化が完了していたとしても、個人情報の壁にはばまれ、援護の必要な人を把握しきれていない自治体も少なくないようです。

約3万7000人(07年3月末)の身体障害者、知的障害者、精神障害者がいる仙台市では、名簿に載っているのは1%に当たる約400人にすぎません。
市役所内でも部署が異なれば個人情報のやりとりが難しく、登録希望者を募っても登録は思ったように進まないのが現状のようです。

希望者登録方式を採用していた東京都渋谷区は、2006年末、要援護者本人の同意がない場合でも、要援護者情報を警察や自主防災組織に提供できるよう、条例を改正しました。
その結果、東京都渋谷区の名簿登録者数は、約700人から約1500人と、ほぼ倍増したそうです。

万一の災害において、要介護者の支援が迅速かつ確実に進められるよう、各自治体による要援護者の名簿化への取り組みが、より一層推進されることが望まれます。

2008年3月19日水曜日

介護保険による住宅改修の注意点とは?

介護保険の対象となる要介護者ための住宅改修では、どのような点に注意すればいいでしょう。

要介護者の身体機能や生活上の課題点を的確につかみ、有効な住宅改修方法を確立するためには、医療、福祉、住宅問題の専門家の連携が不可欠です。

日本の住宅は、欧米の住宅と比較して段差が多いのが特徴ですね。
高齢者の方にとって、和式便器をの使用時や、ふとんから立ち上がる際の負担は、けっして軽いものではあるません。

介護保険を利用して住宅改修をおこなう場合、住環境による不自由さを解消するための改修には、住宅改修費用が20万円(自己負担額は2万円)を限度に支給されます。

たとえば、玄関先の階段に手すりを取り付ければ、手すりにつかまりながら自分で階段を下りられるので、一人で外出することも可能になります。
このように、手すりの設置効果は、利用者に合わせて取り付ければ、想像以上に大きなものになるでしょう。

介護保険を利用した住宅改修は、いったん利用者が工事費用を全額負担する償還払いとなっています。
介護保険のスタートしたばかりの当時は、工事終了後に改修費用の支給を申請する事後申請制度だったことから、「介護保険で住宅改修ができます」といった勧誘をおこない、給付額を超す高額の契約を結ばせる悪質な訪問販売業者が少なくありませんでした。

そうした事態を改善するため、平成14年、国民生活センターは、被害防止策として、事前申請制度の導入し、理学療法士、作業療法士、介護知識をもつ建築士などの専門家をつなぐネットワーク作りの提言を行いました。

平成18年の改正介護保険法では、事前申請制度を導入が盛り込まれました。
要介護者や家族の課題を把握し、改善点を検討するプロセスを重視し、住宅改修に当たっては、「住宅改修が必要な理由書」の添付を義務付けることになったのです。

要介護者用住宅改修工事をおこなう場合、たとえば手すりの取り付けの際には、下地の補強が必要なケースもあります。
利用者が介護保険の申請を相談する相手はケアマネージャーになります。
介護保険を利用して効果的な住宅改修には、ケアマネや、医療・住宅の専門家たちとが連携して当たるのが理想的といえるかもしれません。

住宅改修希望者が自分で情報を探すことも重要になります。
「住宅リフォーム・紛争処理支援センター」の情報提供サイトで調べてみたり、自治体の住宅改修アドバイザーに相談してみるのも有効でしょう。

2008年3月18日火曜日

老人ホームの床暖房に温泉を利用した画期的システム

老人ホームの床暖房に高温の温泉を利用する、画期的システムが開発されました。

このシステムは、大分市の設計事務所と北海道立北方建築総合研究所が共同開発したものです。
高温の温泉を活用し、老人ホームの施設を丸ごと床暖房するという、温泉の町・別府ならではのシステムです。

原油高の影響を受けないことに加え、二酸化炭素の排出を抑制するメリットも備えているそうです。
開発者である大分市の飯田建築設計事務所と北海道立北方建築総合研究所は、共同特許を出願中で、すでにこのシステムを導入した有料老人ホームの入所者にも、体にに優しいと大好評です。

このシステムを設置している有料老人ホームは、2005年2月、別府市南立石にある観海寺温泉の旅館跡地に開業した、「ゆうゆうの郷 白雲山荘」です。

この有料老人ホームには、近くの高台に泉源があるため、湯温が99度の温泉が毎分100リットルが供給されています。
この画期的システムは、熱交換によって、老人ホームの建物全体にに温水を供給することができます。

高低差を利用して、この温泉を施設内に引き込み、熱交換器によって水道水を65度に温めるそうです。
床下に用いられた特殊鋼材に取り付けた直径1センチの管に通して温泉が流れ、鋼材や床を温めることにより、部屋全体を常時24度前後に保つことが可能です。
また、熱交換に使った温泉は、入所・通所者用の風呂に再利用できるとのこと。

5階建てのこの老人ホームにかかった設置費用は、約3500万円でした。
とはいえ、別の暖房方法では、年間コストとして、電気代420万円と重油代613万円が必要です。
10年以内で確実に元がとれる計算なわけですね。

普通の暖房のように肌にきつくなく、ほんわりとした暖かさをもたらしてくれる、この温泉利用床暖房システム。
入所者のニーズに応え、全国の老人ホームでの普及が期待されます。

2008年3月17日月曜日

介護療養型老人保健施設と療養病床削減計画との密接な関係性

高齢者の患者が長期入院する療養病床が、かなり削減されることになりそうです。
国は、長期入院する高齢者の新たな受け皿を、介護療養型老人保健施設にしようと考えています。

都道府県別の療養病床削減計画概要集計によれば、計画を明らかにした39都道府県では、2006年10月現在31万床ある病床を、2012年度末までに、20万床を残し、35%、11万床削減するそうです。
また、他の8府県は、現在検討中とのこと。

医療の必要度が低いにもかかわらず長期入院する「社会的入院」の解消と医療費抑制を目指すべく、国は、療養病床を大幅に削減する計画を打ち出しています。

国は、2006年10月現在で、全国に(回復期リハビリテーション病棟を除いた)35万床あった病床を、15万床に削減する目標を定めました。
この病床削減により、年間4000億円の医療費圧縮を見込んでいるとのことです。
とはいえ、存続する病床数は、8府県分が上乗せさて増加するため、医療費抑制の見直し議論も出てくること必至の情勢です。

国の見通しに都道府県の削減計画が達しない要因としては、医療機関自体が、が収入減が予想される介護施設への転換に消極的であるという点と、入院患者が退院しても地域に受け皿がない点などが挙げられます。
上記39都道府県の中で削減率が大きいのは、富山(61%)、高知(59%)、山口(57%)です。
その一方で、東京都は、そもそも療養病床が足りないとして、逆に病床を1・4倍に増やす方針を公表しています。

富山県を除く中部地方各県の削減率は、静岡56%、三重47%、福井46%、滋賀41%、石川34%、愛知33%、長野32%、岐阜29%となっています。
鹿児島県は、65歳以上の人口1万人当たりの存続病床が最も多く、その存続病棟数は、最も少ない山形の4・5倍に相当します。

介護療養型老人保健施設」(国が療養病床の転換先に想定している施設)に支払われる介護報酬の額は、今月上旬に決まったばかりです。
これを基づき、今後態度を決める医療機関も多いと予想されます。

当初、国は、医療保険の適用を受ける医療型と、介護保険が適用される介護型の合計で、2006年10月に35万床あった療養病床の中で、介護型12万床を全廃し、医療型の23万床は15万床に削減される見通しを示していました。

療養病床の削減問題は、その代替施設となる介護療養型老人保健施設との関係も含め、今後も大きな議論を呼びそうです。

2008年3月16日日曜日

介護予防につながる高齢者の排せつケア

介護予防のために、高齢者の排せつケアを推進する試みが検討されています。

山形市と山形大医学部は、山形市内でシンポジウムを開きました。
シンポジウムでは、 介護予防を目指し、高齢者の排せつをケアすることにより外出をうながすという施策が提言されました。

高齢の方は、失禁や頻尿など排尿面での機能低下を起こす場合があります。
ところが、話しにくいため誰にも相談せず、自宅に引きこもることにより、一層身体の機能全体を低下させるケースも少なくないそうです。

山形大医学部の佐藤和佳子教授(高齢者看護学)は、「排尿を自律的に行えれば、介護予防に一定の効果があるのでは」と、高齢者の動作と排尿機能の相関関係にに着目したのです。
要支援の介護認定を受けている高齢者およそ1700人を対象に、2006年度から2年間の計画で、山形市内で実態把握が行われました。
シンポジウムでは、佐藤教授が研究の中間報告を発表しました。
中間報告によれば、「足腰が不自由な人ほど、実際には困難ではないにもかかわらず排尿に障害を感じて外出しなくなり、要介護認定を受けるほど運動機能が悪化する傾向にある」とのことです。

山形市の「地域包括支援センターふれあい」の今野日出子センター長は、次のような報告を行いました。
足が不自由なため、移動中に失禁が見られる70代の女性が、センターに相談して指導を受けたそうです。すると、歩行訓練を3か月行った結果、症状が改善したとのこと。

山形大医学部の長岡明講師(泌尿器科)は、次のような発表を行いました。「排尿障害の裏に重大な病気が隠れていることもある。医療と介護の連携は不可欠」

さらに、山形市介護福祉課の吉田直子主幹は、「高齢者が外出先でもトイレに行きやすいよう、地域包括支援センターを中心にトイレマップを作っていきたい」と、支援センターの機能を生かした取り組みを推奨しました。

人口が比較的少ない地域では、高齢者へのきめ細やかな配慮がなされているようです。
高齢者が排せつの悩みを克服し、自立した生活を送れる体制を築くことが、介護予防の実現に大きな効果をもたらすかもしれませんね。

2008年3月15日土曜日

介護現場における今春の賃上げの現状は?

介護現場の労働者をとりまく環境は、かなり厳しいものがあるようです。

春闘の時期を迎えた「日本介護クラフトユニオン」(5万7000人が加盟)は、月給制7000円以上、時給制40円以上という賃上げ要求を行いました。
しかしながら、現状では、多数の事業所が、介護報酬という公定価格の制約を受け、厳しい経営状態にあるため、賃金レベルを改善できる余裕がないそうです。

「お年寄りやその家族を支えたいが、自分の生活が成り立たない」と語る組合員たちの声は、きわめて切実なものがあります。

たとえば、日本介護クラフトユニオンのある組合員の女性(32歳)の現状は、次のようなものです。
この組合員が勤務するのは、訪問介護などを展開する事業所です。
現在は事務職の正社員として勤務していますが、7年前の入社時は、夜勤専門のパートのホームヘルパーとして1年間働きました。
要介護の高齢者にパジャマを着せたり歯磨きの介助を行ったりする、就寝介助やオムツ交換が主たる仕事内容でした。
勤務時間は午後4時半から翌朝9時までで、利用者宅間を平均十数軒訪問したそうです。時給は900円でしたから、夜勤割増し分を加えても、半月働いて手取り約10万円の収入にしかなりませんでした。
収入を補うために、昼間はアルバイトをしていたそうです。

また、会社の各拠点のトップを務める職員の場合でも、賃金の手取り額は20万円に満たないのが現状であるとのこと。中には、子供の養育費や住宅ローン返済のため、別の事業所と兼務しているパート男性(30歳代)も存在します。

介護職員の2005年の平均年収は、厚生労働省の統計によれば、施設介護員で305万6500円、ホームヘルパーで273万4100円だそうです。
この額は、全労働者平均の7割にも達しない数字です。

日本介護クラフトユニオン九州・沖縄支部が公表した数字によれば、九州地区の訪問介護職の月収は、関東地区と比較して4万円近く低い例もあるとのこと。地方の介護現場をとりまく現状は、都市部以上に厳しいといえるでしょう。

日本介護クラフトユニオンが春闘で要求した7000円の内訳は、2000円が賃上げ、5000円が他産業との格差是正ということのようです。
賃上げ交渉は、3月下旬から4月頃まで各事業所で続けられますが、介護報酬に基づいた賃金体系である点に変わりはないため、定期昇給は厳しいかもしれません。

介護サービスを受ける高齢者の方々が安心してサービスを受けられるようにするためにも、介護職員の待遇改善を図る政府の有効策が早急に望まれます。

2008年3月10日月曜日

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