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2008年12月27日土曜日

介護報酬3.0%アップでも介護職員の2万円賃上げは幻か?

厚生労働省の社会保障審議会は、12月26日、2009年度からの介護報酬に関する答申を出しました。

今回の答申の最も大きな特色は、介護職員の待遇を改善するため、介護報酬を全体で3.0%引き上げた点でしょう。

介護報酬のプラス改定は、2000年に介護保険制度がスタートしてから、初めての試みとなります。

答申内容には、深刻な介護現場の人手不足を改善するため、介護報酬を増額し、一人でも多くの介護職を確保していきたいという厚生労働省の意向が、強く反映されていると言えるかもしれません。

また、今回の改定では、介護職の人材確保のみならず、認知症介護の充実や医療との連携強化を含めた、介護サービスの質的向上を目指した内容も含まれています。

介護報酬の3.0%引き上げは、事業者とっては収入増になりますが、その一方で費用の1割を負担する介護サービス利用者にとっては負担増になるのです。

厚生労働省の試算では、たとえば訪問介護を毎日利用し、月額にして1万1496円の自己負担をしている介護サービス利用者の場合、改定後の自己負担額は1万2573円に増額されるそうです。

介護報酬のプラス改定の中身を見てみると、認知症介護や夜勤が多い事業所の報酬アップを重視している点が特徴で、介護福祉士などの国家資格を有する常勤職員の割合が高い事業所の報酬も引き上げられました。
たとえば特別養護老人ホームを例にとると、介護福祉士有資格者が介護職員全体の50%以上を占めている施設には、施設入居者1人につき1日120円が加算されるようになっています。

また、過疎地よりも都市部の介護事業所の人件費が高額である傾向がみられることから、東京23区内にある事業所の報酬単価が引き上げられた点も見逃せません。

施設利用者の退院の際に、ケアマネジャーが医療機関と情報を交換する業務をおこなった場合は、月額6000円が加算されるようになる点は、医療との連携強化を念頭に置いた改正内容と言えるでしょう。

さて、今回の介護報酬の3.0%引き上げは、果たして舛添要一厚生労働相が打ち出した「賃金2万円アップ」をもたらすことができるのでしょうか?

介護現場の声を聞く限り、「賃金2万円アップ」の実現は極めて困難であるのが実情のようです。

立地条件や有資格者の比率に応じて細かく定められた基準を満たし、介護報酬の増額が認められ、その引き上げ分をすべて人件費の増額に回したとしても、介護職員一人当たりの「賃金2万円アップ」には程遠いのだそうです。

現時点では、介護報酬の3.0%引き上げが、介護現場の人材確保の一助となることを祈るばかりです。