脳神経細胞の再生をうながすワサビの辛み成分には、記憶力や学習能力を高める効果があり、認知症の予防にも有効であることがわかってきました。
マウスによる実験を通じて、ワサビのもつ脳細胞再生促進機能を発見したのは、名古屋市立大大学院医学研究科の岡嶋研二教授と原田直明准教授です。
認知症患者の増加は社会問題化していますが、認知症予防効果を発揮する新たな食材の発見は朗報と言えるでしょう。
岡嶋研二教授らは、唐辛子の辛み、熱さ、痛みなどが人の胃や腸の知覚神経を刺激すると、全身細胞の増殖をうながすタンパク質「インスリン様成長因子-1(IGF-1)」が増量し、認知機能が高まることを既に突き止めていました。
岡嶋研二教授の研究チームは、ワサビにも唐辛子と同様の認知症予防効果があるのかどうか、マウスを使って実験を重ねてきました。
その結果、ワサビの辛み成分「6MSからし油」を混ぜた餌をマウスに4週間食べさせたたところ、記憶や学習機能にかかわる脳の海馬で、IGF-1濃度が2~2.5倍に増加することが判明したのです。
また、海馬の細胞数に関しては、通常の2~3倍まで増加してることもわかりました。
こうした生物学的な変化は、マウスの認知能力や学習能力の向上をもたらしたのです。
岡嶋教授によれば、ワサビを1日に12.5グラム程度摂取すれば、人間にも同程度の効果が現れるとのこと。
ワサビには、脳のみならず全身細胞の再生を促進する効能があり、認知症予防に加え、骨密度を高めたり、血管を拡張したりする効果もあるというのですから、わさびサプリメントの開発などを含め、ワサビには今後、健康食品業界の大きな注目が集まりそうです。