介護現場では慢性的な人材不足が深刻化していますが、こうした現状を打開するべく、政府与党は、来年度の4月から介護報酬を増額させる意向を明らかにしました。
賃金の引き上げ幅は月額2万円程度を見込んでいるため、介護報酬を増額させれば、当然のごとく介護保険料の上昇が避けられません。
しかし、政府与党は、国民の保険料負担を軽減するために、部分的に公費によって肩代わりする意向を示し、新経済対策に1200億円の予算をつけることを中心に検討を重ねています。
介護労働者の介護報酬に関しては、3年おきに改定される介護サービスの公定価格に基づき、年内に報酬改定率が決められることになっています。
報酬改定率は、常勤の介護労働者1人当たりの月収が2万円前後増額されるよう調整されるそうです。
2000年度に介護保険制度が導入されて以降、過去2度にわたって報酬の改定がなされていますが、介護報酬は、いずれの機会においても引き下げられており、今回引き上げが実現すれば初めてのケースとなります。
現在、介護労働者の平均賃金は、正社員の場合で月額20万8千円にとどまり、介護労働者の2007年度における離職率は21.6%と、全産業の15.4%を大きく上回っています。
こうした現状をかんがみ、人手不足の改善の緊急性を重く見た厚生労働省は、今回の改定では介護報酬の引き上げを重要な検討事項としていました。
政府与党案では、介護報酬引き上げに伴う保険料増加分は、介護保険を運営する市町村などの自治体に国が補助し、個人の保険料負担増が抑制される方向になりそうです。
改定に当たっては、1号被保険者のみならず、40~64歳の2号被保険者をも対象に含める考えであるとのこと。
また、次回の報酬改定までの3年間は、段階的に軽減割合を変動させるという案も検討されはじめています。
来るべき総選挙を控え、選挙対策もかねての政府与党案という側面もあるでしょうが、介護現場で低賃金にあえぐ労働者たちにとって、月額賃金の増額は、大きな朗報であることは間違いないでしょう。