老人保健施設(老健)が高齢者の「終(つい)の棲家」になるケースが増えています。
老健は、安定的な病状の高齢者が在宅治療への復帰を目指し、リハビリや介護などを受ける中間施設としての役割を担っており、介護保険の施設サービスの中で、老人福祉施設(特別養護老人ホーム)や介護療養型医療施設(療養型病床群)と共に重要な位置を占めています。
これらの施設の役割区分は、最近はどんどん曖昧になってきました。
全国老健施設大会での発表テーマをみると、老健での終末期の看取りが行われるケースが増加傾向にあることがわかります。
老健施設協会によれば、老健で最期を迎えることを考えている入所者の数は、全体の5分の1を超えるそうです。
高齢者の看取りは、療養型病床群においては医療行為の一環として行われ、特別養護老人ホーム(特養)では介護報酬が別途加算されます。
しかし、老健での介護は在宅復帰が建前であるため、介護報酬の加算は認められていません。
したがって、看取りを行えば行うほど老健の赤字が増えていくという不条理極まりない傾向が見られるのです。
全国老健施設大会の参加者らは、老健の役割の変化に対応した介護報酬の見直しを強く求めています。
高齢化の進行と共に、老健で最期を迎える高齢者の数は、今後より一層増えていくことでしょう。
来るべき介護報酬改定の際には、老健での看取りの役割を積極的に認知し、正当な介護報酬を加算する方向へ転換すべきではないでしょうか。