「認知症の人と家族の会」が、昨年11月に介護保険制度について厚生労働省に対しておこなった提言をまとめ、このたび『提言「こうあってほしい介護保険」』(クリエイツかもがわ 1050円)というタイトルで出版にこぎつけました。
「認知症の人と家族の会」は、1980年に「呆け老人をかかえる家族の会」として発足し、「アルツハイマー」という用語が一般的でなかった当時から、「呆けても心は生きている」を合言葉にして、患者と家族を支え続けてきました。
来年の介護制度改定をひかえ、厚労省は「本人や家族の生活の質を向上させる施策の確立」を目指す立場であるのに対し、財務省は、「軽度(要介護2以下)を対象外にすれば2兆円以上の経費削減」との試算を出しています。
「認知症の人と家族の会」の高見国生代表は、厚労、財務両省の主張について、「二つは絶対に相いれない。要介護度2以下では利用者の3分の2が排除される。お願いする段階はもう過ぎた。具体的提案をするしかない」と考え、今回の出版を決意したしたそうです。
『提言「こうあってほしい介護保険」』の中で、同会は、早期から終末期まで切れ目ない支援、介護従事者の育成と待遇充実といった、12項目にわたる具体的改善策を提示し、急速に進行する高齢化社会の流れに合わせた介護保険のあるべき姿を強く訴えかけています。
本書は、介護保険問題を考える上で、必読の書と言えるでしょう。