9月5日、自民・公明両党は、75歳以上を対象とする後期高齢者医療制度において、これまで1割だった医療費の窓口負担が今年8月から3割に増えた一部の高齢者に関し、1割負担に再度戻す方針を固めました。
この制度改定は、期間を限らない恒久措置として実施されるとのこと。
与党としては、地方自治体のシステム改修が必要なことを考慮した上で、来年1月から1割負担に戻したいという意向を示しています。
問題は制度改定にともなう財源ですが、1割負担になる対象は全国で1万数千人に上るとみられ、数億円の財源確保が必要となります。
今回の改定案では、夫婦のいずれかが75歳以上で新制度に移行し、もう片方が74歳以下であり、国民健康保険などの従来制度に残った結果、片方が「現役並みの所得がある」と判定されたため、3割負担に変更された方が対象となります。
「現役並み所得」とは、以下の条件の範囲内の所得を指しています。
課税所得が145万円以上であり、夫婦世帯では合計年収が520万円以上、単身世帯では年収383万円以上の範囲。
現行の後期高齢者医療制度下では、「世帯の生活実態は変わらないのに、夫婦別々に判定するのはおかしい」との批判の声が上がっていました。
ただし、今回の改定作業は、目前に迫ってきた総選挙対策として急きょ実施される感は否めません。
後期高齢者医療制度の中身の微調整は、高齢者の日々の生活に直結することなのですから、自民・公明両党は、目先の党利党略に左右されるのではなく、確固たる長期的ビジョンをもって制度改正にとりくむべきではないでしょうか。