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2008年8月23日

認知症治療に効果をもたらす「ドールセラピー」とは?

「ドールセラピー」という療法が、認知症患者の症状改善に有効であることが明らかになりました。

「ドールセラピー」とは、赤ちゃんの人形を抱くことで認知症患者に豊かな感情を蘇らせようという治療法です。

兵庫医療大(神戸市)の平木尚美講師の調査結果によれば、「ドールセラピー」を受けた認知症患者は、過去の育児体験を想起することにより、感情が刺激される傾向が見られたとのことです。

平木講師は、8月21日に神戸国際会議場で開かれた日本看護研究学会学術集会で、この調査結果を公表しました。

「ドールセラピー」に関する調査では、平木講師や太成学院大(大阪府堺市)の板東正己助手ら5名のスタッフが、昨年の7月から9月にわたり、グループホームなど3カ所の施設で、認知症高齢者11名に対し「ドールセラピー」を実施しました。

査の際は、人形を手渡したときの高齢者の様子をビデオカメラで撮影し、「人形に話しかける」といった658件の反応を詳細に分析したそうです。

認知症患者の中で最も多かったの反応は、「人形を見つめる」行動(95件)でした。

次いで多かったのは、「服や靴下を着せる、脱がせる」という人形を擬人化した行動(59件)で、「スタッフに話しかける」(55件)というような、他者と交流しようとする行動も見られました。

一方で、「人形から視線をそらす」、「抱こうとしない」などの反応も見られましたが、全体の反応の中に占める割合は低いものでした。

大阪府守口市にあるグループホーム「はるか」では、3年前からドールセラピーを認知症治療に採り入れており、徘徊していた高齢者が落ち着きを見せたり、寝付きが悪かった高齢者の症状が改善されたりといった効果が表れたそうです。

また、たとえば、おむつを替えるような人形を擬人化する反応を示した認知症患者の場合は、世話をする役割ができ、生き生きする様子がうかがえたとのこと。

「ドールセラピー」は、今後、各介護施設に普及していけば、認知症患者対策として大きな成果をもたらしてくれるかもしれません。