厚生労働省は、深刻をきわめる介護職の人材難解消を目指し、来年度の制度改定で、介護保険から事業者に支払われる介護報酬を引き上げることを検討しています。
厚労省は、13日、この介護報酬引き上げ策を前提にして、引き上げ分が介護職の給与上昇に確実に反映されるか否かを検証する方針を明らかにしました。
具体的には、介護職の改定前後の給与額を調査し、各事業者が引き上げ分をどの程度人件費に振り分けているかをチェックするすることにしています。
この検証作業実施のために、厚労省は、調査費約1億円を来年度予算の概算要求に盛り込む予定です。
介護現場の慢性化する人手不足の原因は、他産業に比べて著しく賃金が低いことにあります。
先月7月、舛添厚労相は、来年度、介護職給与の原資になる介護報酬を引き上げる方針を明確にしています。
とはいえ、介護職員の給与を上げるか否かの判断を行うのは介護施設経営者であり、介護報酬を引き上げたからといって、即人手不足が解消されるかといえば、かなり疑問の余地もあります。
厚労省は、こうした疑問や懸念の声に応え、報酬改定後の来年夏を目処に、特別養護老人ホーム、訪問介護事業所、デイサービス事業所をはじめとする全国およそ8000事業所を対象にして、上記の検証作業を実施することにしています。
検証作業では、各事業所から介護福祉士や看護師らを1名ずつ選び、報酬改定前後の給与額の変動を調べるほか、事業所ごとの経営状況も調査することにより、介護報酬が人件費に適切に回されているかどうかを詳細に検証するそうです。
こうした検証作業が、介護報酬の引き上げを介護現場の人手不足解消に結びつけるための有効策となるよう期待しましょう。