山形大学医学部と山形市が、排せつと介護に関する興味深い研究結果を発表しました。
この研究は、高齢者の排せつに対する不安を解消することによって外出回数を増やし、介護予防につなげようという目的で、2006年度と207年度の2度にわたり、山形市内の6地区で、要支援認定などを受けた高齢者らを対象におこなわれました。
研究結果からは、排尿症状と外出回数との間には、密接な因果関係があることがうかがえます。
たとえば、排せつの問題が外出に与える影響が「とてもある」「ある」「少しある」と答えた高齢者は、調査対象者全体の40.5%に相当する計330人に上りました。
このように排せつに関する問題に悩む高齢者は多く、2006年度の調査では、頻尿や切迫性尿失禁などの悩みを抱えている高齢者は、1076人中787人と、実に全体の73.1%に達しています。
しかしながら、排せつに関する悩みを医師や家族に相談した高齢者は、2006、2007年両年度の調査における816人中305人にとどまり、全体の37.7%にしかすぎないこともわかったのです。
こうした研究結果に基づいた今年3月の報告会において、参加した高齢者からは、「急にトイレに行きたくなり車を止めたら、警察官に駐車をとがめられた。二度と外出したくない」、「店の入り口にトイレがあるだけで気持ちが随分楽」といった、さまざまな訴えが寄せられました。
こうした高齢者の生の声を受けて、研究報告では、トイレに行きやすい環境作りが大切だとの提言がなされています。
高齢者の外出促進は、介護予防という観点から見ても非常に重要ですから、今回の報告内容は、きわめて貴重なものと言えるかもしれません。