日本介護支援専門員協会(JCMA)が、「軽度者に対する介護給付の見直しによる影響額試算」対する反対声明を出しました。
財務省の諮問機関である財政制度審議会は、5月13日、「軽度者に対する介護給付の見直しによる影響額試算」3案を提示していました。
その内容はいずれも、軽度者(支援1・2、要介護1・2)に対する給付を削減するというものだったのです。
「軽度者に対する介護給付の見直しによる影響額試算」の中では、次の三つのパターンについて機械的に試算されています。
①介護保険制度の対象外とする
②生活援助のみの給付を介護保険制度の対象外とする
③自己負担割合を1割から2割に上げる
財務省は、こうした「介護給付の見直し」が行われれば、介護給付費は最大で年間約2兆900億円、国庫負担は約6100億円削減することが可能になり、40歳以上の保険負担額が、一人当たりで約15000円軽減できる、と試算しています。
日本介護支援専門員協会(JCMA)は、上記のような試算は、財務省側の「机上の計算」過ぎないと強く反発していました。
社会保障費の財源問題を、単に軽度者への給付削減に結びつければよしとする財務省の考え方に、真っ向から反対しているのです。
そもそも、介護者の観点からみれば、要支援1・2、要介護1・2のレベルにある方を「軽度者」と位置づけること自体が、はなはだ疑問だというのです。
要支援の区分は元来、要介護レベルの重度化への進行を抑止し、社会保障費の増大を抑制するという意図から創設されたはずなのですから、今回の財務省の「試算」は、明らかに大きな矛盾をはらんでいるわけです。
日本介護支援専門員協会(JCMA)の調査では、要介護1・2の利用者の半数は認知症であることが明らかになっています。
こうした要介護者をを軽度者として扱い、介護サービスの適用から除外していけば、住み慣れた地域で高齢者に医療・介護サービスを提供していくという国の方針に、まったくそぐわない事態が生じる可能性があると、JCMA側は大きな危機感を抱いています。
財務省による「試算」は、税や保険料負担について抜本的な改革を考慮せず、一方的に出されたものでした。
日本介護支援専門員協会(JCMA)は、従来から、多職種が協働するケアマネジメントの徹底化を図れば、過不足のない医療・介護サービスが提供ができるという、一貫した主張をつらぬいてきました。
今回の日本介護支援専門員協会(JCMA)の反対声明は、財務省側の「机上の計算」の実効性のなさを、厳しく指摘したものと言えるでしょう。