認知症を誘発する新たな危険因子が明らかになりました。
フランス国立保健医学研究所(Institut National de la Sante et de la Recherche Medicale、INSERM)が、喫煙習慣がある人には、中年期以降に記憶力減退傾向がある、との研究結果を発表しました。
仏国立保健医学研究所は、1985年から88年にかけて記憶力に関する調査に協力した、ロンドン在住の公務員1万308人の医学データを分析しました。
その結果、喫煙習慣と、中年期以降の記憶力・認知力の減退傾向と間には、密接な因果関係あることがわかったのです。
明らかになった主な点は、次の通りです。
① 中年期の喫煙は、記憶障害や推論能力の減退を誘発する。
② 禁煙後の期間が長ければ長いほど、記憶力、語彙力、言葉の流暢さが減退しない。。
③ 中年期に入ってから禁煙すると、健康に対する意識が向上する。
④ 喫煙による死亡率が高いため、高齢者を含めた喫煙と認知力の相関性には、実際にはさらなる高い可能性が認められる。
仏国立保健医学研究所の研究チームは、「中年期に認知障害がある人は認知症に速く移行する可能性があることから、今回の分析結果は重要な意味を持つ」と指摘し、研究結果の有効性を強調しています。
折りしも日本では、タバコの値上げについて議論されていますが、仮に1箱1000円といった価格が設定されたあかつきには、喫煙者は大幅に減ることでしょう。
フランスでの研究結果に基づけば、禁煙者数の増加は、認知症発症率を確実に低下させるわけですから、タバコの価格上昇は、他の物価上昇とは異なり、超高齢化社会にとっては歓迎すべき事柄なのかもしれません。