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2008年5月21日

社会福祉系大学への入学志願者が激減した理由とは?

人材不足が深刻化している福祉現場の状況に、さらに拍車がかかることをうかがわせるデータが明らかになりました。

社会福祉系大学への入学志願者が、2005年をピークに減少の一途をたどっているというのです。

予備校大手の河合塾(名古屋市)の調査によれば、今春、社会福祉系大学へ出願した受験者は、およそ3万4千8百人で、昨年度よりも約2割減少したことになります。

学生たちは、過酷な労働条件と低賃金にあえぐ福祉労働者の現状を知り、福祉職に就くことを敬遠しつつあるようです。

5月18日に東京都内で開催された「福祉関係者共同フォーラム」の実行委員会によれば、福祉施設職員の賃金は、正規職員の場合でも、10~20万円程度に留まっています。

この数字は、全産業の平均賃金の約6割にすぎず、若年福祉労働者の平均年収は、200万円に満たないのが現状です。

まさに、「ワーキングプア」状態を強いられていると言っても過言ではありません。

介護職の離職率は20.2%に達し、全産業平均の17.5%を、3%も上回っているのです。

このような福祉労働者の過酷な状況を反映し、社会福祉系の大学や専門学校で介護福祉士や社会福祉士の資格を取得しても、将来に希望を抱けないという理由から、福祉関係への就職を選択しない卒業生が激増しています。

社会福祉学科を設けている某私立大学では、かつては学生の7~8割が社会福祉士の資格を取得していたのに対し、2年ほど前からは、4割程度にまで激減してしまいました。

河合塾の調査では、長引く不況で大企業への就職が厳しかった頃は、学生の間での資格志向が根強かったため、社会福祉士や介護福祉士の資格を取得できる社会福祉系大学の人気は、きわめて高かったそうです。

ところが、企業の業績がもちなおし、新卒者の就職枠が拡大した2~3年前から、大学進学希望者をとりまく環境は一変しました。

社会福祉系大学への志願者数は大幅に低下し、就職先の選択の融通が利く経済学部や法学部の人気が復活しつつあります。

こうした現状を見る限り、国は、福祉施設や介護施設における人材を確保するために、福祉職や介護職の労働条件を大幅に改善するべく、早急に抜本的な施策を打ち出す時期にきているようです。