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2008年5月8日

重度障害者に後期高齢者医療制度への加入を「強制」した10道県の無慈悲

後期高齢者医療制度の運用上の欠陥が、またもや露呈しました。

10道県が、後期高齢者医療制度への加入は任意となっているにもかかわらず、医療費助成の継続を希望する65~74歳の重度障害者に対し、後期高齢者医療制度への加入を義務づけたのです。

しかし、後期高齢者医療制度へ加入すると保険料負担が増えるため、10道県で、計3418人が加入手続きを拒否しているそうです。

これら各自治体にしてみれば、後期高齢者医療制度加入者の方が財政負担を軽くしてくれるということなのでしょうが、障害者の中には、負担増か医療費助成打ち切りかの厳しい選択を迫られている方もいらっしゃいます。

10道県と加入拒否者数の内訳は、下記の通りです。

○福岡1423人
○北海道666人
○愛知318人
○青森280人
○茨城275人
○栃木180人
○山口86人
○富山70人
○山形60人
○徳島60人

全都道府県が実施している障害者への医療費助成では、一定の障害があれば、都道府県と市町村が医療費負担を折半し、障害者本人負担をなくしたり、軽減したりしてきました。

障害者への医療費助成における自治体の負担割合についてみると、後期高齢者医療制度の加入者は1割ですみますが、国民健康保険や企業の健康保険の加入者の場合は、65~69歳で3割、70~74歳で2割(2008年度は1割)と、負担割合が高くなります。

これら10道県は、市町村も含めた自治体の持ち出し負担額を減額するべく、後期高齢者医療制度への加入を医療費助成の条件にしたわけですね。

後期高齢者医療制度加入を拒否した方の多くは、障害を抱えながら職業をもち、さらに家族を扶養していらっしゃいます。

勤務先の健康保険に入って家族を扶養している方が後期高齢者医療制度に移行した場合、加入者本人以外の家族全員が、個別の国民健康保険などに加入し、各人が別々に保険料を支払わなければならなくなりますから、負担総額が大幅に増えるケースも出てくるでしょう。

障害者に後期高齢者医療制度加入を強制した10道県の多くは、「医療費負担と新制度の保険料負担を比べた本人の判断」に任せ、各障害者に対し特別な対応はしてはいません。

制度という「枠組み」を作るだけで、運用上の不備や欠陥の処理に関しては、すべて自治体任せにしている厚生労働省。

その無策、無責任ぶりは、厳しく糾弾されてしかるべきでしょう。

今回選択を迫られた障害者の多くは、ぎりぎり生活の中で何とか経済的自立を維持してきた方々です。
助成を打ち切られ、病院での受診を自粛される方も出てくるのではないでしょうか。

10道県の各担当部署は、今回の措置が障害者の健康状態に及ぼす悪影響を考慮し、早急な見直し措置を検討するよう求められています。