27日の衆院山口2区補選の選挙結果は、後期高齢者(長寿)医療制度の存続にノーを突きつけました。
毎日新聞などの出口調査結果は、民主党勝利の大きな要因が、後期高齢者(長寿)医療制度への不満だったことを、如実に表しています。
たとえば「投票で何を最も重視したか」という問いへの回答として最も多かったのは、「福祉、医療」で、全体の25%を占めました。
こう回答した有権者の65%が民主の平岡秀夫候補に投票し、自民の山本繁太郎候補への投票率は、わずか30%にとどまりました。
また従来は自民党を支持していた層でも、新医療制度に切実な関心を持つ60代、70代以上の有権者が、それぞれ58%、46%の割合で平岡氏に投票しました。
1人当たりの医療費が現役世代の約5倍に達する75歳以上の高齢者を別枠でくくり、医療費が嵩んだ分は、保険料も負担してもらうというのが、後期高齢者(長寿)医療制度の眼目です。
高齢者に医療費の節約を求め、現役世代の経済的負担を減らすことに力点を置こうというわけです。
しかしながら、制度の運営自体が都道府県単位に移行するため、市区町村単位での補助がなくなり、天引きされる保険料が上昇するケースが多発するなど、制度開始からの混乱は留まるところを知りません。
「官僚が地方の補助制度を知らなかったのは不思議だろうが、保険局のエリートたちは驚くほど現場を知らない。制度の仕組みしか関心がない」
この某厚労族議員の言葉にもあるように、厚生労働省は、高齢者医療の現場をよく把握しないまま、拙速に新制度を導入しました。
その結果、後期高齢者(長寿)医療制度の欠陥が次々と露呈しているのですから、与党や厚労省は、今回の選挙における世論の審判を真摯に受け止め、新医療制度の「勇気ある撤退」を真剣に考えるべきなのではないでしょうか。