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2008年4月6日

「療養病床」削減は「介護難民」を発生させる?

厚生労働省は、「療養病床」を平成24年度末までに再編し、現在の35万床(リハビリ用を除いた数字)を15万床程度まで減らす計画を策定していました。

「療養病床」とは、慢性病の治療を受ける高齢者が長期入院する際に使用されるベッドを意味します。

厚生労働省の計画に基づき、各都道府県ごとに策定した削減計画の総計では、医療に必要なベッド数が約22万床にのぼることがわかりました(産経新聞社の調べ)

仮に厚労省の削減計画通りに「療養病床」の削減を進めれば、「介護難民」とでもいうべき高齢者が、多数生じる可能性があります。

厚労省が提出を求めていた、各都道府県の削減計画には、平成24年度末において必要な療養病床の目標数が盛り込まれています。

各都道府県は、平成18年10月現在の療養病床数に基づき、介護施設への転換可能な医療機関の見込み数や、高齢化率といった地域事情を反映させ、目標数を算出しました。

産経新聞社が全国の都道府県に対して行った聞取り調査によるれば、43都道府県(5府県は未確定)の目標数を合計すると、その数は211,190床に達しました。

この数字に、未公表4県分の目標数(1万床弱)を含めた場合、平成24年度末には、およそ22万床の療養病床が必要になると予測されています。

将来の急速な高齢化をにらみ、逆に現状の療養病床数を増やすことを明らかにしている東京都を除けば、他の道府県は、すべて療養病床を減らす方針ですが、厚生労働省の策定した計画よりも、約7万床多くなったわけです。

各都道府県の算出結果と、厚生労働省の予測数値が大きな隔たりを見せたのは、厚生労働省が、急速な高齢化の進行を考慮せぬまま試算したためです。

各都道府県の医療機関は、介護報酬が低いことなどを理由にあげ、医療機関の介護療養型老健施設への転換には消極的な態度をとっており、患者の受け皿となる介護施設が確保できないという事態をもたらしかねません。

各自治体担当者の間からは、地域事情を勘案せず、厚労省の見込み通りに減らせば、確実に「介護難民」が発生するという不安の声が上がっています。

このような地方の声を受け、当初から厚生労働省の削減計画に反対していた野党のみならず、与党内からも見直し論が浮上しつつあります。

3月、自民党議員の有志が、「療養病床問題を考える国会議員の会」(会長は中山太郎元外相)を発足させました。
この会には101人の国会議員が所属し、療養病床削減計画の凍結を含め、厚生労働省対し、大幅な計画修正を要求しています。

療養病床を削減して、低コストな介護施設への転換を図ることにより、3000億円規模の医療費削減をもくろんでいた厚労省。

療養病床削減計画を見直せば、医療費増加に拍車がかかり、現役世代に大きな負担を強いる可能性もあります。

地方の高齢化事情をかんがみて、療養病床削減計画をいかに修正していくのか、今後も、厚生労働省の動向に大いに注目していく必要がありそうです。