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2008年4月3日木曜日

介護付有料老人ホームにおける認知症患者との共生の模索

介護付有料老人ホームなどの介護現場で、認知症の入所者と他の入所者との共生の難しさが浮き彫りになっています。

介護付き有料老人ホームへのアンケート調査(読売新聞社が昨年12月に実施)の結果からは、認知症の入所者へのケアに悩む介護現場の現状が垣間見えてきます。

認知症の入所者と他の入所者との間に起きるトラブルは、多岐にわたります。

たとえば、一般の入所者が認知症の入所者に挨拶をしても、挨拶を返されないことから起きるトラブル。

また、アルツハイマー病の女性が昼夜関係なく大声を発するせいで、心臓疾患をもつ別の入居者が、大声を聞くたびに心臓が痛いと訴える事例。

こうしたトラブルの大きな原因の一つとして、認知症の入所者と一般の入所者の混在があげられます。


日本各地の有料老人ホームの現状をみると、入居時は元気でも年月の経過と共に認知症にかかったり、認知症発症後に入居する方が増えたりしているため、認知症の入所者の割合が年々高くなっています。

認知症の入所者の中には、徘徊や暴力行為におよぶ方もいらしゃいます。

しかし、ほとんどの有料老人ホームでは、認知症の入所者とその他の入所者がと同じ階に住んでいることから、さまざまなトラブルが起きやすくなっています。

たとえば、認知症患者が入居者の約7割を占めるという、大阪府内のある有料老人ホームでは、大声を出したり、徘徊したりする認知症の入所者に対して、他の入居者から、「うっとうしいので、遠ざけてほしい」、「ホームを訪問してくれる友達に恥ずかしい」といった苦情が上がっているそうです。

もちろん、認知症の入所者とその他の入所者が、上手に共生している事例もあります。

介護付有料老人ホーム 「つばきの郷」(新潟県見附市)では、認知症の入所者が他人の居室に入ろうとすると、他の入居者が「違いますよ」と優しく諭す姿が日常的に見られています。
逆に、車椅子を利用する入所者が床に物を落としたとき、身体に障害のない認知症の入所者が物を拾ってあげるといった場合もあるようです。
介護付有料老人ホーム 「ベストライフ千葉みなと」でも、身体的な障害をもたない入居者が、認知症の入所者の散歩に同行することなどが行われています。

全国79か所で有料老人ホームを運営する「ベストライフ」では、認知症の入所者以外の方に、認知症の方と互いに助け合いながら生活するよう、協力をうながしています。

「ベストライフ」が運営する有料老人ホームでは、トラブルの中身を職員が迅速に把握し、両者の間に入って大きなトラブルに発展することを防いでいるそうです。

ただし、認知症の入所者とその他の入所者とのトラブルの解決には、介護者の介護技術の向上が不可欠といええるでしょう。

各地の介護付き有料老人ホームは、認知症の入所者と共存するための新たな方策を、日々模索し続けています。