宮城県が、県内にある介護保険施設を対象とした「身体拘束廃止に関する調査」の2007年度結果を公表しました。
この調査は、特別養護老人ホームやグループホームなどを対象に実施されました。
調査結果によれば、身体拘束をまだ実施している回答した事業所は33.8%と、身体拘束廃止に関する調査が始まった2001年度の72.8%に比べ、半分以下まで減少しました。
その一方、施設管理者の約3分の1が、職員数が足りないため、身体拘束の廃止は現実的に難しいと回答し、拘束廃止を完全に実現するまでの道のりは、まだまだ長いというのが現状のようです。
介護保険制度の指定基準では、介護保険施設の入所者に身体拘束を行うことを、原則的に禁止されています。
「身体拘束廃止に関する調査」は、昨年の11月、宮城県内の介護施設457カ所を対象に実施され、前年度に比べ10カ所多い361カ所の施設から回答が寄せられました。
361の介護施設のうち、「拘束を行っている」と回答したのは122カ所で、全介護施設の入所者1万5849人のうち、2.4%に相当する383人が身体拘束措置をを受けていることがわかりました。
身体拘束を受けた延べ人数は555人にのぼり、その中で緊急事態や不可抗力によって身体拘束を受けた入所者は、延べ382人に達しました。
それ以外の173人に対しては、主治医の指導、他の措置の欠如、家族からの強い要請などの理由に基づき、ミトン型手袋による拘束(85人)、ベッド柵への拘束(63人)、つなぎ服による拘束(14人)などが施されました。
調査結果では、身体拘束廃止に向けて特に効果のあった事例についても報告されています。
入所者への声掛けや見守りを強化することによって身体拘束をなくしたり、柵を使用せず、ベッドマットの下にナースコール・ボタンを設置して入所者の身体の動きを把握するといった、介護施設職員のさまざまな努力の跡が垣間見えます。
しかし、他方では、拘束廃止が各種の事故を発生させていると回答した介護施設も、165カ所ありました。
事故の事例としては、ベッドおよび車椅子からの転落事故、点滴チューブを引き抜く事故などが挙げられています。
また、介護施設の管理者361人のうち132人が、身体拘束の廃止が難しい理由として、「職員数が少ない」と回答しました。
127人の管理者が「身体拘束以外の介護方法がわからない」と答え、身体拘束は本人または家族が望んでいるので行っていると答えた管理者は、122人を数えました。
介護施設の入所者がより快適な生活を送れるよう、身体拘束に代わる方法の開発が早期に望まれます。