災害時に支援を必要としている高齢者や障害者らを含む「災害時要援護者」に関し、全国各地の主要自治体のほぼ6割が名簿化していることがわかりました(朝日新聞社の全国の主要自治体を対象としたアンケート調査)。
2年前の約15%に比べ、名簿化の取り組みが進められている現状がうかがえますが、いまだ支援対象者の把握に手間取っている自治体も存在するようです。
アンケート調査は、46道府県の県庁所在市と、その他の4政令指定市に、東京23区を加えた計73自治体を対象におこなわれました。
要援護者の名簿作成を実施しているのは、今年度中の作成予定も含めると、43自治体(58.9%)でした。
また、名簿未作成も含め要援護者の範囲を定めているのは、53自治体(72.6%)を数えました。
要援護者の範囲は、各自治体が独自に定めており、自治体の大半が、国がガイドラインで挙げる3つの枠内に区分しています。
1.介護保険法で要介護3以上と認定された在宅者
2.身体障害者または知的障害者
3.高齢の独居者と高齢者のいる世帯
東京都北区では、「本人や家族だけでは避難が困難な65歳以上と障害のある人」に「区長が援護の必要を認めた人」を加えて、要援護者の範囲拡大を図っています。
反面、名簿化が完了していたとしても、個人情報の壁にはばまれ、援護の必要な人を把握しきれていない自治体も少なくないようです。
約3万7000人(07年3月末)の身体障害者、知的障害者、精神障害者がいる仙台市では、名簿に載っているのは1%に当たる約400人にすぎません。
市役所内でも部署が異なれば個人情報のやりとりが難しく、登録希望者を募っても登録は思ったように進まないのが現状のようです。
希望者登録方式を採用していた東京都渋谷区は、2006年末、要援護者本人の同意がない場合でも、要援護者情報を警察や自主防災組織に提供できるよう、条例を改正しました。
その結果、東京都渋谷区の名簿登録者数は、約700人から約1500人と、ほぼ倍増したそうです。
万一の災害において、要介護者の支援が迅速かつ確実に進められるよう、各自治体による要援護者の名簿化への取り組みが、より一層推進されることが望まれます。