老人ホームの床暖房に高温の温泉を利用する、画期的システムが開発されました。
このシステムは、大分市の設計事務所と北海道立北方建築総合研究所が共同開発したものです。
高温の温泉を活用し、老人ホームの施設を丸ごと床暖房するという、温泉の町・別府ならではのシステムです。
原油高の影響を受けないことに加え、二酸化炭素の排出を抑制するメリットも備えているそうです。
開発者である大分市の飯田建築設計事務所と北海道立北方建築総合研究所は、共同特許を出願中で、すでにこのシステムを導入した有料老人ホームの入所者にも、体にに優しいと大好評です。
このシステムを設置している有料老人ホームは、2005年2月、別府市南立石にある観海寺温泉の旅館跡地に開業した、「ゆうゆうの郷 白雲山荘」です。
この有料老人ホームには、近くの高台に泉源があるため、湯温が99度の温泉が毎分100リットルが供給されています。
この画期的システムは、熱交換によって、老人ホームの建物全体にに温水を供給することができます。
高低差を利用して、この温泉を施設内に引き込み、熱交換器によって水道水を65度に温めるそうです。
床下に用いられた特殊鋼材に取り付けた直径1センチの管に通して温泉が流れ、鋼材や床を温めることにより、部屋全体を常時24度前後に保つことが可能です。
また、熱交換に使った温泉は、入所・通所者用の風呂に再利用できるとのこと。
5階建てのこの老人ホームにかかった設置費用は、約3500万円でした。
とはいえ、別の暖房方法では、年間コストとして、電気代420万円と重油代613万円が必要です。
10年以内で確実に元がとれる計算なわけですね。
普通の暖房のように肌にきつくなく、ほんわりとした暖かさをもたらしてくれる、この温泉利用床暖房システム。
入所者のニーズに応え、全国の老人ホームでの普及が期待されます。