高齢者の患者が長期入院する療養病床が、かなり削減されることになりそうです。
国は、長期入院する高齢者の新たな受け皿を、介護療養型老人保健施設にしようと考えています。
都道府県別の療養病床削減計画概要集計によれば、計画を明らかにした39都道府県では、2006年10月現在31万床ある病床を、2012年度末までに、20万床を残し、35%、11万床削減するそうです。
また、他の8府県は、現在検討中とのこと。
医療の必要度が低いにもかかわらず長期入院する「社会的入院」の解消と医療費抑制を目指すべく、国は、療養病床を大幅に削減する計画を打ち出しています。
国は、2006年10月現在で、全国に(回復期リハビリテーション病棟を除いた)35万床あった病床を、15万床に削減する目標を定めました。
この病床削減により、年間4000億円の医療費圧縮を見込んでいるとのことです。
とはいえ、存続する病床数は、8府県分が上乗せさて増加するため、医療費抑制の見直し議論も出てくること必至の情勢です。
国の見通しに都道府県の削減計画が達しない要因としては、医療機関自体が、が収入減が予想される介護施設への転換に消極的であるという点と、入院患者が退院しても地域に受け皿がない点などが挙げられます。
上記39都道府県の中で削減率が大きいのは、富山(61%)、高知(59%)、山口(57%)です。
その一方で、東京都は、そもそも療養病床が足りないとして、逆に病床を1・4倍に増やす方針を公表しています。
富山県を除く中部地方各県の削減率は、静岡56%、三重47%、福井46%、滋賀41%、石川34%、愛知33%、長野32%、岐阜29%となっています。
鹿児島県は、65歳以上の人口1万人当たりの存続病床が最も多く、その存続病棟数は、最も少ない山形の4・5倍に相当します。
「介護療養型老人保健施設」(国が療養病床の転換先に想定している施設)に支払われる介護報酬の額は、今月上旬に決まったばかりです。
これを基づき、今後態度を決める医療機関も多いと予想されます。
当初、国は、医療保険の適用を受ける医療型と、介護保険が適用される介護型の合計で、2006年10月に35万床あった療養病床の中で、介護型12万床を全廃し、医療型の23万床は15万床に削減される見通しを示していました。
療養病床の削減問題は、その代替施設となる介護療養型老人保健施設との関係も含め、今後も大きな議論を呼びそうです。