介護予防のために、高齢者の排せつケアを推進する試みが検討されています。
山形市と山形大医学部は、山形市内でシンポジウムを開きました。
シンポジウムでは、 介護予防を目指し、高齢者の排せつをケアすることにより外出をうながすという施策が提言されました。
高齢の方は、失禁や頻尿など排尿面での機能低下を起こす場合があります。
ところが、話しにくいため誰にも相談せず、自宅に引きこもることにより、一層身体の機能全体を低下させるケースも少なくないそうです。
山形大医学部の佐藤和佳子教授(高齢者看護学)は、「排尿を自律的に行えれば、介護予防に一定の効果があるのでは」と、高齢者の動作と排尿機能の相関関係にに着目したのです。
要支援の介護認定を受けている高齢者およそ1700人を対象に、2006年度から2年間の計画で、山形市内で実態把握が行われました。
シンポジウムでは、佐藤教授が研究の中間報告を発表しました。
中間報告によれば、「足腰が不自由な人ほど、実際には困難ではないにもかかわらず排尿に障害を感じて外出しなくなり、要介護認定を受けるほど運動機能が悪化する傾向にある」とのことです。
山形市の「地域包括支援センターふれあい」の今野日出子センター長は、次のような報告を行いました。
足が不自由なため、移動中に失禁が見られる70代の女性が、センターに相談して指導を受けたそうです。すると、歩行訓練を3か月行った結果、症状が改善したとのこと。
山形大医学部の長岡明講師(泌尿器科)は、次のような発表を行いました。「排尿障害の裏に重大な病気が隠れていることもある。医療と介護の連携は不可欠」
さらに、山形市介護福祉課の吉田直子主幹は、「高齢者が外出先でもトイレに行きやすいよう、地域包括支援センターを中心にトイレマップを作っていきたい」と、支援センターの機能を生かした取り組みを推奨しました。
人口が比較的少ない地域では、高齢者へのきめ細やかな配慮がなされているようです。
高齢者が排せつの悩みを克服し、自立した生活を送れる体制を築くことが、介護予防の実現に大きな効果をもたらすかもしれませんね。