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2008年3月15日

介護現場における今春の賃上げの現状は?

介護現場の労働者をとりまく環境は、かなり厳しいものがあるようです。

春闘の時期を迎えた「日本介護クラフトユニオン」(5万7000人が加盟)は、月給制7000円以上、時給制40円以上という賃上げ要求を行いました。
しかしながら、現状では、多数の事業所が、介護報酬という公定価格の制約を受け、厳しい経営状態にあるため、賃金レベルを改善できる余裕がないそうです。

「お年寄りやその家族を支えたいが、自分の生活が成り立たない」と語る組合員たちの声は、きわめて切実なものがあります。

たとえば、日本介護クラフトユニオンのある組合員の女性(32歳)の現状は、次のようなものです。
この組合員が勤務するのは、訪問介護などを展開する事業所です。
現在は事務職の正社員として勤務していますが、7年前の入社時は、夜勤専門のパートのホームヘルパーとして1年間働きました。
要介護の高齢者にパジャマを着せたり歯磨きの介助を行ったりする、就寝介助やオムツ交換が主たる仕事内容でした。
勤務時間は午後4時半から翌朝9時までで、利用者宅間を平均十数軒訪問したそうです。時給は900円でしたから、夜勤割増し分を加えても、半月働いて手取り約10万円の収入にしかなりませんでした。
収入を補うために、昼間はアルバイトをしていたそうです。

また、会社の各拠点のトップを務める職員の場合でも、賃金の手取り額は20万円に満たないのが現状であるとのこと。中には、子供の養育費や住宅ローン返済のため、別の事業所と兼務しているパート男性(30歳代)も存在します。

介護職員の2005年の平均年収は、厚生労働省の統計によれば、施設介護員で305万6500円、ホームヘルパーで273万4100円だそうです。
この額は、全労働者平均の7割にも達しない数字です。

日本介護クラフトユニオン九州・沖縄支部が公表した数字によれば、九州地区の訪問介護職の月収は、関東地区と比較して4万円近く低い例もあるとのこと。地方の介護現場をとりまく現状は、都市部以上に厳しいといえるでしょう。

日本介護クラフトユニオンが春闘で要求した7000円の内訳は、2000円が賃上げ、5000円が他産業との格差是正ということのようです。
賃上げ交渉は、3月下旬から4月頃まで各事業所で続けられますが、介護報酬に基づいた賃金体系である点に変わりはないため、定期昇給は厳しいかもしれません。

介護サービスを受ける高齢者の方々が安心してサービスを受けられるようにするためにも、介護職員の待遇改善を図る政府の有効策が早急に望まれます。